新生児はいつからお出かけOK!? ママの注意点を分かりやすく解説!の画像
新生児はいつからお出かけOK!? ママの注意点を分かりやすく解説!の画像

 産院や助産院で出産を終えると、初産であれば1週間、2人目以降であれば数日後に退院し、子育てが本格的に始まるのが、一般的な流れだ。育児書などには新生児期はなるべく外出を控えるように、といった記述がみられることがあるが、実際にはそうもいかない場合もある。

■「新生児期」は、いつまでのこと!?

 赤ちゃんの「新生児期」は、生まれてから生後28日未満にあたるが、一方でママも「産褥期」(さんじょくき)となる。分娩が終わり、女性の体が妊娠前の状態に戻っていくための期間のことだ。一般に分娩後6週~8週ぐらいまでをこう呼ぶ。子宮が次第に縮小して、妊娠前の状態に戻るのが6週間といわれている。この期間は、子宮や膣からは悪露(おろ)と呼ばれる分泌物が出る。時期とともにその色も量も薄く少なく変化していくが、この期間には個人差がある。

 現在ほど家事を電化製品に頼れなかった時代は、産後の女性は「床上げ」までゆっくり過ごすようにと言われていた。約1か月間は無理をせずに休めということだ。これは赤ちゃんの「新生児期」とも重なる。女性が産褥期に無理をするとのちに身体を壊す、と昔の人は言うが、これはあながち間違いではない。出産直後の女性は骨盤が緩み、会陰切開の傷も回復しておらず、便秘や痔などにも悩まされることがある。1人目の育児であれば、こうしたトラブルとつきあいながら、慣れない授乳をこなし、寝てもすぐに起きる新生児との昼夜のない生活となるため、さらに家事などをこなそうと頑張れば、体調不良なども起こしやすくなる。とにかく産後のママはこの時期にゆっくり休むことが肝要だ。

 一方の赤ちゃんも、新生児期はなるべく外出は控えたほうが良いといわれる。体温調節がうまくできず、病気にかかるリスクもあるからだ。だが、そうはいっても、いろいろなことが起こってしまうのが子育て。さままざな状況下で、新生児と外出する必要が生じた場合、どうすれば良いのだろうか。

 ちなみに海外を見てみると、アメリカでは出産翌日に退院するのが一般的であり、新生児とともにママも外出するのは珍しくない。日本では自然分娩がまだ多いが、アメリカは無痛分娩が主流。無痛分娩では産後の女性の身体の回復が早いとも言われる。

■1か月検診前に病院に行く必要が出てきたときは?

 新生児期に外出する必要があるのはどのようなときだろうか? たとえば病院。出産後、病院によっては生後28日を目安としている「1か月検診」よりも早く検診があることもある。この時期の赤ちゃんは、外気温の変化が負担となるため、できれば検診に出向く際は、車やタクシーでの移動がおすすめだ。

●上の子の保育園や幼稚園の送迎

 ほか、新生児期に外出の必要があるのは、実家への帰省のほか、保育園や幼稚園への送り迎えなど。2人目以降の出産であれば、たとえ新生児がいても、上の子たちの送迎がある。パパが仕事で、実家も遠方となれば、ママが出向くしかないが、生後1か月までは、ママ友やベビーシッターにできるだけ頼ってしまったほうがベター。パパにも朝の送りを頼むなど、少しでも外出を減らせるように周囲に協力してもらおう。

 それでも、どうしても出かけなければならない場合は、ママと体が密着することで外気温の変化による負担が軽くなる抱っこひもを使い、短時間ですまそう。

●新生児の外出に適した時間帯とは?

 新生児と一緒に外出する必要があるとき、その時間帯も考えておきたい。先述の通り、生まれたばかりの赤ちゃんは、体温調節がまだ上手ではない。屋内と屋外の気温差の少ない時間帯がおすすめだ。秋や冬であれば、お昼に近い時間帯、そして春や夏であれば、暑い昼間を避けるのがよいだろう。

●新生児の外出で気をつけること

 新生児との外出に限らず、赤ちゃんの首がすわるまでは長期間の外出はなるべく避けたほうがよいといわれる。多くの赤ちゃんの首すわり時期は生後4か月だが、それまでの時期は、抱っこひもの中でもベビーカーでも、振動や姿勢の変化が赤ちゃんにとって負担となるからだ。とはいえ、前述したように、どうしても外出しなければならないときもある。このときママはどういった装備で出かけるのが良いのだろうか。

 まず新生児期の外出は、両手が空いている状態が何かと便利だ。バッグから診察券やガーゼハンカチなどの荷物を取り出す必要があるとき、赤ちゃんを両手で抱っこしているとなかなか難しい。首がすわるまでの外出は、ママもなにかと苦労が多いのである。また、バッグも肩かけタイプだとなお便利だ。

 そして出かける際は、病気の感染などを防止するために、なるべく人混みは避けること。大人に比べて赤ちゃんは免疫力が弱いといわれており、繁華街に長時間出かけるのは、もう少し先にしておいたほうが安心だ。

 抱っこひもも最近は新生児期から使えるものや、抱っこひもに取りつける新生児用のインサートパッドなどが流通しているが、ベビーカーにも新生児期から使えるものがある。新生児期を過ぎて生後1か月から使える「A型」、赤ちゃんの首と腰がすわった生後7か月頃から使える「B型」と、そしていずれの時期でも使える「AB兼用」もあるが、いずれにしても新生児期は縦抱きの抱っこひもや、横抱きのスリングという選択肢になる。

■外出の際の服装

 新生児期の外出はまだまだ気を配らなければならないことが多い。赤ちゃんに何を着せればよいかという問題が浮上する。

 基本は前開きの短い肌着に、気温が20度以下になったら、長袖カバーオールやベストなどをプラスしよう。20度以上であれば半袖ロンパースで。冬など寒さが厳しい時期は、短肌着に長袖のカバーオールやボディスーツ、そして足つきのおくるみや帽子などで、暖かく守ってあげよう。猛暑の場合は、短肌着にコンビ肌着を着せたり、またはコンビ肌着のみなどでもいい。

■新生児の外出のとき、持ち物は?

 新生児期とのお出かけの際、持ち物も重要だ。何しろママも第1子では、外出に慣れていないことだろう。何かあっても困らないように、しっかり準備をしておこう。

●絶対必須のアイテム

*おしりふき

 いろんな商品があるが、持ち運びに便利なのは「詰替用」。開け閉めするシールをはがす手間を省くために「ウェットシートのフタ」をつけておくととても便利。100円ショップにも最近売られているが、おススメは「ビタット」。

*オムツ

 オムツを持たねば赤ちゃんとの外出は始まらない。新生児用のサイズの小さなものを5~6枚持っておくと安心だ。

*着替え

 ミルクの吐き戻し、オムツ替えの際の服への漏れ……いろいろな出来事が起こり、服は濡れる。着替えは一式必ず持って行こう。

*スタイ(よだれかけ)

 よだれの少ない赤ちゃんもいるが、げっぷがまだうまくできずミルクの吐き戻しも起こりやすい時期なので、つけておくと何かと安心。

*ガーゼタオル

 ママがお手洗いで手を洗ったとき、赤ちゃんの顔についたミルクを拭くとき、げっぷさせるときにママの肩に……。など用途は無限大。

*ビニール袋(ゴミや着替えを入れるため)

 オムツ替えコーナーには大抵、使い終わったオムツボックスが備えつけられているが、そんなボックスがない場所に行くときや、濡れた着替えを入れるためにビニール袋は必須。大きめのジップロックだと中身が出ないので安心。

 もし検診などで数時間ほどのお出かけになりそうな場合は、授乳のための準備もしておこう。ミルクであれば哺乳瓶にミルクなど一式、母乳であれば、授乳室がない場合に備え、授乳ケープがあると安心だ。母子手帳、健康保険証、診察券、乳児医療証なども、検診時だけでなく、何かあったときのために携帯しておくと安心できる。

 哺乳瓶を持っていく場合、ミルクはミルカーに入れておくか、スティックタイプの粉ミルクなどを。授乳室に、ミルクを作るためのお湯が使えるところがあるが、そういった施設がないところへのお出かけは、熱湯を魔法瓶に入れて持って行こう。

 他に忘れてはならないのがママの準備。新生児期のお出かけは、ママがまだ悪露が出ていることも多いので、生理用品も準備しておきたい。

 こういった荷物は大きなバッグひとつにまとめ、シーンごとに分けてポーチやジップロックに入れておくと、取り出しやすく中身も見やすいのでとても便利だ。また新生児期が過ぎても、赤ちゃんとの外出はしばらく、荷物が多くなる。荷物一式が入るママバッグを準備しておくとよい。

■まとめ

 まだ小さくて首のすわらない新生児とのお出かけは、ママも慣れずに緊張することも多いだろう。その緊張が少しでも和らぐよう、準備万端にしておこう。用事をできるだけ短時間にすませるため、あらかじめお出かけの道のりなどをシミュレーションしておくと、スムーズに外出もできるだろう。

本日の新着記事を読む