インスタ映えもマウンティングの一種!? 男女別の特徴と対処法の画像
インスタ映えもマウンティングの一種!? 男女別の特徴と対処法の画像

 マウンティングといえば、犬、猫、うさぎなどペットを飼っている人の悩みのタネ。オスがメスに行ったり、性別関係なく、相手の上に覆いかぶさって腰を振る行為で、やめさせるのはひと苦労だ。しかし昨今、マウンティングは動物だけの話ではなく、人間の世界にもはびこっている。職場や友人関係、SNS社会において何かと「自分はあなたより幸せで、優れている」ことをアピールしたがる人たち。軽い自慢ならまだしも、上から目線で価値観を押しつけられるのはまっぴらだ。彼らがマウンティングをする心理を紐解き、うまく回避する方法を探ろう。

■マウンティングは自然界でよく見られる行動

 近年、人間関係において使われることが増えてきた「マウンティング」という言葉。元々は、相手に乗りかかったり、のしかかかる行為を意味する。

 動物が交尾のために背後から乗りかかる体勢になり、腰を振る行動などを指すことが多い。特に霊長類のマウンティングは相手がオスかメスかに関係なく行われる。

●なぜマウンティングするの?

 動物の同性間の性行動は、ニホンザル、ボノボ、アフリカゾウ、アジアゾウ、アメリカバイソン、キリン、ヒツジなど自然界において広く見られ、その行動の動機についてはまだ十分に解明されていない。しかし、群れで行動する集団において、オス同士が自分の優位性を顕示するために、マウンティングが行われるとも考えられている。

■人間関係におけるマウンティングとは?

 近年、人づきあいの中で何ごとにつけても相手をそれとなくおとしめ、自分の優位性を誇示しようとする行為を「マウンティング」と呼ぶようになってきた。2014年に放送されたドラマ『ファースト・クラス』(フジテレビ系)や続編の『ファーストクラス』では、主人公を演じる沢尻エリカが、ファッション誌の編集部で勤務しながら、上司や先輩、専属モデルからさまざまなマウンティングを受ける姿を描いて話題を呼んだ。

 現代社会におけるマウンティングには、どんな種類があるのか。以下に紹介したい。

●「マウンティング女子」編

 職場や同級生、ママ友やご近所さんなどの間で餌食になったことがある人もいるはず。女性のマウンティングは男性よりも複雑。SNSを使ったリア充アピールや、特定の個人を狙ったマウンティングも横行している。

(1)容姿ネタ

「同僚に“太ったよね”と言われたので、“体重は変わっていない”と答えたら、“むくみが酷いね”と、何かしらけなされる」「疲れてボロボロなのに、“今日もキレイだよね~”と遠回しに嫌みを言われる」「その服、去年はやったよね。懐かしい!」など、スタイルや顔立ち、ファッションセンスなどに対するコンプレックスが攻撃にすり替わる。

(2)旦那自慢、恋愛ネタ

 彼氏や旦那の自慢にはじまり、経験値など恋愛系ネタはマウンティングの対象になりやすい。「彼氏が勤めている会社を聞かれ、教えたら“自分の彼のほうが一流”だの“東証一部上場”だのと自慢された」「車、建てた家の大きさ、子どもの進学先など、すべてにおいて見下してくる」など、なかなかしつこそうだ。

(3)結婚、子どもネタ

 女性の場合は特に「既婚で子持ち」「既婚で子なし」「独身」と立場によって暗黙のランキングがある。子どもができにくい人に対して子持ちの人が、結婚した女性が独身女性に、独身は必死にキャリアや自由をアピール……といった具合の泥仕合になることが多い。

(4)旅行、不幸ネタ

 旅行自慢もエンドレス。誰かが海外旅行の写真をSNSに連投すると、イラっとしてやり返してしまう。また、意外に“あるある”なのが不幸自慢。相手の出したネタに負けじと、よりスゴいネタをかぶせようとするのでキリがない。

●「マウンティング男」編

 こちらは職場、友人関係などで起こりやすい。もともと男同士は社会で序列を意識して生きる生き物。体育会はそのいい例だし、高級車を何台も持ちたがったりするのも典型的なパターンだ。女性に比べて男性は露骨で分かりやすい。

(1)仕事、収入ネタ

 人間社会のオスにおいては、収入や社会的地位といった要素が最も優位性が高いのかもしれない。「今年は年収2000万越えを目指そうかな~」、「いや~東京本社に呼ばれちゃってさ」などと聞いてもいないのに言ってくる。

(2)学歴ネタ

 高卒か大卒か、はたまた大学の偏差値の上下など。今からではどうしようもない自慢に相手がイラつくのを知ったうえでのマウンティングだ。意識高い系の男性は「さして勉強しなかったのに」発言で秀才ぶる傾向もある。

(3)持ち物ネタ

「新車が納車されるからドライブに行こう」「マンションを買った」など。また、男性で身につけるものといえば、時計は口で自慢しなくても力を誇示できるアイテム。手首をチラ見して格づけしあっている。

(4)モテる自慢

「自分には彼女がいる」「こんなにいい女とつきあっている」「経験人数の多さ」を誇張したがるタイプ。つまり、相手にしてもらえる自分は本質的に男として優れているということが言いたい。

■マウンティングのタイプ別対処法

「他人は他人」と割り切れず、相手の気持ちを無視して押しつけや過干渉を繰り返してくる人たち。こんなマウンティングをする人の深層心理と、タイプ別の対処法をお伝えしたい。

●他人のデメリットを指摘する

 自分のなりたい理想を実現している相手に対し、そのデメリットを並べ立てたりするケース。たとえば育児中のパパ、ママに「子どもはかわいいけど、自分の時間はないよね。教育費だって数千万円でしょ」と攻撃したり、仕事が順調な独身者に「私は育児を経験しないと一人前になれなかった。一人だと老後が心配だね」などとマウンティングするタイプ。

【対処法】褒め殺し戦術

 カチンときてディスり返したら、相手は加速して悪口合戦になってしまう。意外に有効なのが、笑顔で逆に褒めちぎる手法。これでもかとヨイショして満足してもらうか、相手が恥ずかしくなるぐらい持ち上げて気づいてもらう。相手が女性なら、会話の中でサクッと「も~、マウンティングしないでよ」と指摘するのも有効。相手も「マウンティング女子」というレッテルは怖いはずだ。

●自慢タイプ

 収入や持ち物を自慢し、自分を大きく見せようとするのは、自信のなさの裏返し。自分の劣等感を悟られないために、相手が劣っていると思わせようとすることも。収入面で負けている男性が、友達に対して女性関係を自慢するなど、別方向から攻撃するパターンもある。

【対処法】興味を示さない

 容姿や収入、パートナーなどをドヤ顔で自慢しまくる相手には、サラッとひと言「すごいね」と声をかけてあげよう。次いで「自分はそういうのに疎いんだよね」と伝えるのを忘れずに。繰り返し、価値観の違いから試合が成立していないことを伝えるのが一番。

●自己承認欲求の強い「インスタ映え」タイプ

 他人のリアクションがないと、自分の存在意義を確認できない。豪華な食事自慢、友人との楽しい飲み会自慢、人脈自慢、ジム通いのストイックな自分を自慢、海外旅行自慢、おしゃれなインテリア自慢など、このタイプはインスタグラムやフェイスブックなどSNSの台頭で急増している。フォロワー数や「いいね」の数に競争心を燃やし、実態とかけ離れた虚像を演じてしまう人もいる。

【対処法】横目でたまに「いいね」

 相手は一人でスマホを相手に躍起になっているだけ。気にするだけ無駄なので、3~5回に1回でもランダムに「いいね」してあげればいい。見ていられないけどフォローも外せない関係性なら、ミュート機能を使おう。

●よけいなお世話タイプ

 ファッションやメイクなど、親切を装って人がやっていることにいちいち口出しをし、やり方を修正しようとする人。暗に自分のほうが賢く、優れていると示したいだけかもしれないが、進路妨害の可能性もある。「このままだと負けてしまう」という焦りから、特に恋愛において「あの男は信用できない」「絶対にやめたほうがいいよ」などと邪魔をしてくる。

【対処法】とにかく避ける

 自分の考えや方法論を説明しても、耳を傾けてお礼を言っても、味をしめてますますマウントされるだけだ。できるだけ相手に自分の情報を知られないようにし、少しずつ距離を置こう。必要なら、周囲に対象者といるとき自分を話題にしないよう頼んでもいいかもしれない。

■まとめ

 人間も動物。本能的に誰かと優劣をつけたり、集団の中で序列をつけたりしたくなるものらしい。そうは言っても幸せの基準はひとそれぞれ。自分らしくのびのびと生きるために、自分のマウンティング欲求も、他人のマウンティングもコントロールできるようになりたいものだ。

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