結婚式のご祝儀に関するお悩み解決!これで決まりの超基本マナーの画像
結婚式のご祝儀に関するお悩み解決!これで決まりの超基本マナーの画像

 結婚式に招待されて、誰もが悩みながらも、そう簡単には他人に相談できないのが、ご祝儀に関することである。今回は金額の相場をはじめ、ご祝儀袋の選び方や書き方、当日の渡し方に至るまで、ご祝儀に関する基本情報をまとめてご紹介しようと思う。超基本マナーをマスターして、お悩みを一気に解決しよう!

■結婚式のご祝儀の基本

●「結婚式」と「披露宴」の違い

 現代の日本では、宗教に関係なく教会式、神前式、人前式、仏前式などの形式が自由に選択されているが「結婚式」は基本的に、夫婦となる2人が結婚を誓い合う儀式のこと。

 結婚式の後、集まってくれた人たちに新郎新婦が結婚を報告して、料理などでもてなすための宴が、「披露宴」である。

 現在では結婚式と披露宴が一緒に行われることが多く、招待客が「ご祝儀」を持参するのが常識となっている。結婚式と披露宴は親族だけで行い、夫婦の友人を集めて会費制の二次会を開催するケースもある。

●ご祝儀の意味

 披露宴は集まってくれた人たちに、新郎新婦が結婚を報告して、料理などでもてなすための宴である。「ご祝儀」は招待客がお祝いの気持ちで贈るプレゼントと同じ性質のものであり、本来は義務ではないが、暗黙のルールとして「相場」が決まっている。

●ご祝儀に関する基本マナー

 一般的にご祝儀の金額は、奇数の数字が良いとされている。割り切れてしまう偶数には別れの印象があるためだ。また下記の数字は要注意となっている。

「2」……ペアやカップルを連想させるため、偶数ではあるがOK。それでも偶数はちょっと…と気になるときは、1万円札1枚と5000円札2枚の合計3枚の奇数を包めばいい

「4」……偶数で「死」を連想させるため絶対NG

「8」……漢数字の「八」は末広がりで縁起が良いため、偶数ではあるがOK

「9」……「苦」を連想させるため、奇数ではあるがNG

■間柄や未婚か既婚で変わる!? 気になる結婚式のご祝儀、金額相場一覧

 結論から言ってしまうと、ご祝儀の一般的な相場は3万円である。なぜかと言うと、ごく普通の披露宴の料理と飲物代が1人1万円から2万円前後、お土産になる引出物が5000円前後のため、新郎新婦は招待客1人あたり1万5000千円から2万5000千円ぐらいの負担をしていると考えるからだ。その上にお祝いの気持ちを上乗せし、キリのいい数字にしようとすると、3万円ぐらいが妥当なのである。

●新郎新婦との関係性と、ご祝儀の相場

新郎新婦の両親

 主催が両親名義であれば、必要ない。結婚式におけるご祝儀ではなく、「結婚のお祝い」「披露宴の費用の援助」という形をとることが多い

新郎新婦の兄弟姉妹

 5万円から10万円

新郎新婦の親族(おじ、おば、いとこ)

 3万円から。夫婦で出席の場合は5万円から10万円

新郎新婦の親族(祖父、祖母)

 5万円から。夫婦で出席の場合は10万円から

●友人関係の場合

 3万円から5万円程度

●会社関係の場合

新郎新婦の上司

 3万円から5万円

新郎新婦の同僚や部下

 3万円から

●【ワンポイント解説】招待状が夫婦連名で届いた場合

 親戚以外から夫婦連名での招待状が届いた場合は、ご祝儀も夫婦連名で包もう。金額は2人分で5万円から7万円が一般的だ。

●【ワンポイント解説】会費制パーティの場合

 会費制のパーティの場合は、基本的には会費だけ持参すればOKである。このスタイルは、料理などの費用は招待客に会費という形で平等に負担してもらうが、ご祝儀は辞退する、という趣旨で行われるものだからだ。受付で金額を確認するため、会費はご祝儀袋に入れずそのまま渡せばいい。

■意外と難しい!? ご祝儀袋の選び方から書き方、包み方まで

 ご祝儀の金額が決まったら、続いてはご祝儀袋の準備をしよう。

 ご祝儀袋には「のし」と「水引」がついた袋を使うのがマナーとなっている。「のし」は袋前面の右上についている印のことで、“汚れがない”ことを意味する。「水引」は袋全体を包む飾りヒモのことである。結婚祝いには10本の水引を「結び切り」という結び方で包むのがふさわしいとされている。「結び切り」には一度結んだら解けない、結び直すことができない、という願いが込められている。

●ご祝儀袋の選び方

金額別

 中に入れるご祝儀の金額に応じて、1/100程度の値段のご祝儀袋を選ぶのが正解だ。中身が少ないから、袋だけでも豪華にしたいというのはNGである。中身が3万円なら、ごく一般的でシンプルな300円程度のご祝儀袋を使おう。5万円なら少し高級感のある和紙を使い、のしや水引も派手な500円程度のものを、5万円以上なら2段重ねの和紙で、亀や鶴、松などの縁起物をあしらった立体的で華やかなものにしたほうがいい。

相手別

 最近のご祝儀袋は色やデザインなどが豊富で、どれにしようか迷うほどだ。仲の良い友達や同僚、近しい親戚などに贈る場合は、のしや水引をアレンジした個性的でオシャレな袋にしても喜ばれるだろう。しかし目上の人に贈る場合は、昔ながらで無難な白地の袋に紅白ののしと金銀の水引というシンプルな袋がおススメだ。

●書き方

 ご祝儀袋は上包みと中袋(内袋)に分かれていて、それぞれに書き方のマナーがある。

*上包み

 のしや水引がついている袋を「上包み」と言う。水引の結び目の下の部分に自分の名前を書こう。袋によっては、記入する場所が取り外せる短冊タイプになっているものもある。短冊が2枚入っているときは、無地の短冊を下に重ねて2重にするのが常識だ。書き間違えたときのための予備ではないので注意しよう。なお、上包みに書く名前は、短冊は2人まで、直接書く場合は3人までが一般的だ。それ以上の場合は代表者の名前だけを書き、その下に「他一同」と添えればいい。

*中袋(内袋)

 上包みの中には中袋(内袋)が包まれており、この中にご祝儀のお金を入れるようになっている。表面の真ん中に金額を、裏面には自分の住所・氏名を記入しよう。封を閉じる必要はない。なお、ご祝儀の金額は壱・弐・参といった旧漢字を使うのが慣例となっている。

●【ワンポイント解説】字がヘタクソで恥ずかしい場合は?

 ご祝儀袋は上包みも中袋も、毛筆または筆ペンで書くのが常識で、ボールペンなどはNGである。悪筆だから恥ずかしいという人は、誰かに代筆してもらってもいいし、短冊タイプならPCを使って書いた文字を印刷してしまっても問題ない。

●包み方

 ご祝儀袋には新札を包むのがマナーだ。新札は発行されてから一度も使われていない新券のことで、ピン札は使用されているものの折り目のないお札のことをいう。新札が用意できなかったときは、ピン札を包んでも、さほど失礼には当たらない。

 お金を収めるときは中袋の表面とお札の表面を合わせ、お金を取り出すときに肖像画の顔が最初に見えるように入れるのが正しい。またご祝儀袋の上包みを折りたたむときは、下からの折り返しを上に重ねると覚えておこう。重ね方を逆にしてしまうと不祝儀袋になってしまうため、要注意だ。

 またご祝儀袋は、丁寧に扱っているという気持ちを表すために、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがスマートだとされている。受付に着いたら、袱紗ごとバックから取り出し、中のご祝儀袋だけを相手が読める向きにして両手で差し出そう。このとき「本日はおめでとうございます」などお祝いの言葉をつけ加えるといい。ちなみに、袱紗は性別を選ばず、祝儀のときにも不祝儀のときにも使える紫色がおすすめだ。緑・藍・灰色などは不祝儀のときのみに使用する。

■こんなときは渡さなくてもいいの? 変わったシチュエーション別ご祝儀Q&A

 地域や年代などにもよるが、結婚式の形はさまざまである。ご祝儀に関しても、状況に合わせて柔軟に対応していく必要があるだろう。

●挙式のみに招待された

 ご祝儀の相場は1万円で、当日持っていけばいい。しかし、身内のみの挙式では受付がないこともある。その場合は、頃合いを見計らって自分が呼ばれた側の両親に直接渡せば問題ない。

●二次会のみに招待された

 二次会のみに招待された場合、基本的にはご祝儀を用意する必要はない。しかし、会費以外の形でお祝いしたいのであれば、1万円を包むのがおススメだ。

●欠席する

 披露宴に招待されたが出席できない場合、ご祝儀は事前に渡すのが基本。ご祝儀袋にお金を入れて現金書留で送ってもいい。金額は1万円が一般的だが、かつて自分の結婚パーティーに出席してもらい、3万円のご祝儀をもらったことがあるといったケースでは、同額の3万円を包むべきだ。

●結婚式をしない夫婦

 披露宴をしない新郎新婦から結婚の報告があった場合、親しい関係ならお祝いを贈りたいところだ。この場合のご祝儀は1万円またはプレゼントでいいだろう。知らせがあったら早めに贈るのがいいが、落ち着いてから直接渡すのもOKだ。

●海外で結婚式

 海外ウエディングに招待され、自分で旅行代金を負担して出席する場合、基本的にご祝儀はいらない。自腹で海外まで行くことが、すでに十分にお祝いの気持ちを表しているからだ。他にも何かしたいという場合は1万円以内のプレゼントを贈ろう。

■まとめ

 多くの情報をご紹介してきたが、結婚式のご祝儀に関するお悩みは解決しただろうか? 失礼にならないようマナーを守ることが大前提だが、やはりご祝儀の基本的な性格は、お祝いの気持ちを表現するためのプレゼントのようなものだ、ということを忘れてはならないだろう。慶事を喜び、2人の新しい門出を心から祝福しよう。

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