「理想の終活」知っておきたい3条件

 11月20日の日経新聞の朝刊に掲載された広告が話題になっている。広告主は、建設機械メーカー、コマツの安崎暁元社長(80)だ。広告によると、同氏は検査で胆嚢がんが発見されたが各所に転移し、すでに手術ができない状態だという。“人生の質”を優先するため、抗がん剤などの延命治療は行わないのだとか。〈(前略)つきましては、私がまだ元気なうちに皆様方に感謝の気持ちをお伝えしたく(後略)〉

 感謝の会を開くため、ぜひ出席してほしいというのだ。しかも、会費などはなく、カジュアルな格好で来てほしいと気遣いを見せている。「人生の最期をどう締めくくるかという“終活”が盛んな中で、“理想の形”と絶賛の声が上がっています」(全国紙記者)

 学生の就活ならぬ老人の終活が、ただ今、高齢者たちの間で注目を集めているのだという。

■プロが教える「理想の終活3条件」とは

 老人問題に詳しいコンサルタントが語る。「安崎社長のような終活は、新聞の広告からパーティーの開催まで費用がかかりますが、明るい終活はお金がなくても始められます」

 頭も体もなんとか動いている間に、自分の人生に満足のいくエンディングを準備する――それを、大した予算をかけることなく、進められるというのだ。そこで、ここでは、終活のプロに教わった「理想の終活3条件」を紹介しよう。

●公表することが大事

 まずは、終活していることを公表すること。「自分の死は、家族といえど、なかなか言い出しにくいことです。しかし、本人がそれを公表していれば家族も話題にしやすく、手伝いもしやすい。それこそ、生活の場所やお墓をどうするかという問題も、本人と家族の隔たりがなければスムーズですし、旅行やイベントにも誘いやすくなる」(同)

 特に大事なのは、死ぬまでにやりたいことを明文化しておくこと。頭の中で考えるだけでは実行に移す前に忘れてしまううえに、周囲にも伝わりにくい。

●同僚や部下、近所だった人などに会うこと

 2つ目が、今まで関係のあった人に会うこと。「旧友や、かつての同僚、部下、近所だった人など、個人個人に会っていくんです。そういう人を訪ねていけば、それだけで自分の人生を振り返ることができますし、何より楽しみに変わっていきます。お金だって、交通費の他はお茶代や食事代だけです」(同)

 それがきっかけで交友が再開することもあるようだ。

●人の話をよく聞くべし

 そして最後が、人の話を聞くことだという。「高齢者・家族間トラブルの原因で多いのが、高齢者側が周囲の話を聞かずにはねつけること。険悪な雰囲気になって毎日が息苦しくなりますし、会話や周囲のサポートも減ります。経験を重ねているからこそ、周囲の意見や話に耳を傾けてください」(同)

 さらに、この3条件を実践する前提として、「終活を楽しむ」べきだという。「“死ぬ前の準備”というと重い気持ちになりますので、華やかなフィナーレと考えてください。“最後の数年間を楽しむんだ”という気持ちが大事です」(前同)

 終わり良ければすべて良し。ぜひ、人生を楽しんでいただきたい!

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