キタサンブラックが有終の美を飾る。秋3戦での引退を発表した同馬陣営。どのレースに重点を置くかだったが、ラストランとなる有馬記念が“本番”だった。キタサンブラックの長所の一つが計算通りの仕上げができること。今春の天皇賞は、いつになく調教を強めたが、最高のパフォーマンスで勝ち切った。今秋は出だしの天皇賞から“余裕”を持たせた仕上げ。それでも勝ったのは道悪の巧さ、地力の高さだが、続くジャパンCは中3週で追い切りはたったの2本。それも直前はCWで6F84秒5-12秒8という遅さ。極悪馬場を戦った反動を考慮したとしても、軽すぎた。それがゴール前の甘さにつながり、3着に敗退。

■ジャパンカップ後、順調な調教で攻め抜く

 清水久厩舎はハード調教で知られ、デビューする2歳馬でも1週2本の追い切りを課すほど。キタサンブラックも1週間で長め追い2本が通常のパターン。ラストランに向け、その本来の仕上げが今回は見られる。前走後の初時計は12月9日。レース13日後だ。前走のジャパンCが17日後だったから4日も早い。それも併走で7F追い。ジャパンC時の直前追い切りより、5F換算で1秒5も速い67秒8だ。追ったあとも変なテンションの上がりがなく、レース当週まで攻め抜くことができる。

 有馬記念は過去2年で3着、2着に終わった。獲りたかったレースに向け、最高の仕上げで臨むキタサンブラック。3連単の頭は不動だ。

■JC馬シュヴァルグランが相手

 相手探しの筆頭はひとまずシュヴァルグランだが、ジャパンCは最高の仕上げだった。上積みの点で物足りなさはある。

 馬券的にはシャケトラだ。秋2戦は馬体増が示すように、本来のデキではなかった。2度使ってシャープな馬体に変化した今回は、一発駆けの期待が持てる。

 ★スワーヴリチャードは馬体充実。右回りでも結果が出せるデキ。ミッキークイーン、レインボーライン、サウンズオブアースが押さえの△。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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