『わろてんか』、中村ゆりの“薄幸演技”は木村多江をも超えた!?の画像
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 もうすぐ前半戦を折り返すNHKの連続テレビ小説『わろてんか』。登場人物も増え、いよいよにぎやかになってきた。先週の放送では、月の井団吾(波岡一喜/39)と月の井団真(北村有起哉/43)の二人がプライドをぶつけあう姿が視聴者をとりこにした。実に見どころが多い週だった。

 2017年12月16日の放送回は、この噺家二人の気持ちが入ったやりとりが胸に刺さる、先週のクライマックスだった。団真は風鳥亭の高座に上がり、これから落語を始めようとしていた。まさにそのとき、さっそうと団吾が登場する。彼のひと声で風鳥亭はあっという間に満員に。団吾は滑らかな前口上で客を引きつけると、団真を挑発しながらもその場を譲る。団真は「崇徳院」を披露。客席には、その姿を心配そうに見つめるお夕(中村ゆり/35)の姿があった。見事な一席を終えた団真の楽屋を訪れるお夕。「われても末に逢わんとぞ思う」と、百人一首の和歌と同様に、二人は再び心を通わせることとなった。そしてその夜、借金取りに追われる団吾(波岡)がてん(葵)たちのもとを訪れ、風鳥亭の高座に上がることを告げる。

 北村有起哉演じる団真と、波岡一喜のハマリ役といっていい天才噺家の団吾がこの2週間、物語を盛り上げたが、ここではその二人が想いを寄せた女性、お夕を演じた中村ゆりに注目したい。中村ゆりは伝説的オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)でYURIMARIというデュオで歌手デビュー。その後、『パッチギ! LOVE&PEACE』など映画出演も話題になり、現在は女優として活躍を続けている。

『わろてんか』まで、中村を知らなかった人も多いかもしれないが、彼女は間違いなくこれからブレイクする。『わろてんか』でのお夕役も魅力たっぷりだが、これから放送される作品が、実は超がつく話題作ばかりなのだ。

■中山美穂との共演で弾みがつくか!?

 まず1月から始まるドラマ『平成細雪』(NHK BSプレミアム)では、四姉妹の四女妙子役を演じる。谷崎潤一郎の『細雪』が35年ぶりに映像化されるうえ、主演が中山美穂(47)ということで、放送前からすでに注目を集めている。さらに同じく、NHK BSプレミアムで3月から放送のドラマ『弟の夫』にも出演が決定。これはLGBTを扱った双葉社発行の人気漫画が原作で、佐藤隆太(37)が主演を務め、元大関の把瑠都(33)がその相手役という異色作だ。『平成細雪』が運命に翻弄され、苦難に立ち向かう四姉妹の末っ子で、『弟の夫』が主人公の元妻という役どころなのだが、どちらも一ひねりある役だけに中村ゆりの演技に注目が集まることは間違いないだろう。

『わろてんか』でも薄幸な美女を見事に演じた中村。実は朝ドラはちょい役も合わせると今回が4作目で、14年上半期の『花子とアン』ではヒロイン(吉高由里子/29)が結婚する村岡(鈴木亮平/34)の前妻という、これまた“薄幸美女”だった。NHKは中村ゆりの薄幸演技をかなり買っているようだ。薄幸女優といったら木村多江(46)が有名だが、中村が肩を並べる日もやってくるかも? 『わろてんか』最大のブレイク女優は中村ゆりかもしれない。(半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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