嫁にとって義母とは善か悪か!? 対処法と利用術を考えてみる

 義理の母、と書いて「義母(ギボ)」。とりわけ夫の母親にあたる「義母(姑)」に対する不満や悩みを抱えている女性は大勢いるようで、いつの時代も嫁姑問題は話題に事欠かない。しかも……日本人女性の平均寿命は80歳越え、最近は「人生100年時代」なんて言葉もある。義母とのつきあいが何十年も続くかもしれないわけだが、どのようにして乗り切ればいいのか。

■「義母との同居」は減少傾向

 結婚時の揉め事の“あるある”のひとつとして挙げられるのが、夫の両親と同居するか・しないか。嫁(妻)が同居を嫌がるのは自明の理のようにも言われている。では、実際のところはどうなのかというと、結婚後に両親と同居する夫婦は少数派のようである。

 厚生労働省が発表した「平成28年 国民生活基礎調査」(※平成28年6月2日時点、熊本県を除く)によると、全国の世帯総数4994万5000世帯。その中で「三世代世帯」に該当するのは294万7000世帯。三世代世帯は、全世帯のうちのわずか5.9%に過ぎないのである。昭和61年の調査を見てみると、全国の世帯総数が3754万4000世帯、うち三世代世帯が575万7000世帯(全世帯のうち15.3%)となっている。つまり約30年の間に、三世代世帯は281万世帯減少したということになる。昭和の時代と比べて、「義母との同居」は確実に減少していることは明らかである。

 ちなみに「高齢者世帯」は、昭和61年の調査で236万2000世帯(全世帯のうち6.3%)だったのに対して、平成28年の調査では1327万1000世帯(全世帯のうち26.6%)と、約30年で1090万9000世帯増加している。

■義母に対する不満

 昭和の頃と比べると「義母と同居」している嫁は少なくなったものの、別居している義母に対して不満や悩みを抱えている嫁は相も変わらず健在である。今やパソコンやスマートフォンといったデジタル機器は若者のみが所有するツールではなくなったため、LINEやSNSアカウントで義母とつながっていることがストレス……なんて嫁もいるという。嫁が抱く義母に対する不満にはどんなものがあるのだろうか?

●価値観の違い

 夫婦間でも何かと亀裂が生じやすい「価値観の違い」。義母との間では、生活習慣(朝ごはんのメニュー、洗濯の時間、ドアの開閉など)、金銭感覚(どこにお金をかけ、どこを切り詰めるか)、育児(母乳かミルクか、出産後に仕事復帰するか否かなど)、イベント(誕生日パーティは家族全員分行うか否かなど)。義母としては「嫁に来たんだから、うちのやり方に合わせてほしい」のかもしれないが、自分自身が育った環境や習慣とあまりに隔たりが大きいと「ついていけない……」と感じる嫁もいる。

●アポなし来訪

 別居できたとしても、電話もLINEもなく突然来訪する義母にうんざりしている嫁もいる。義母としては「息子(=家族)の住む家を訪ねた」気でいるのかもしれないが、嫁の立場から見ると、義母は家族というより“お客様”。義母のアポなし来訪は、生活の様子を覗かれたような気分になって、居心地が悪いのである。さらには、散らかっている部屋を見て勝手に片づけ出したり、頼んでもいないのに料理を作り出されたり……といった義母の行動にげんなり、なんてケースも。

●同居を暗に迫ってくる

 同居を迫ってくる義母も嫁にとっては困りもの。義母の中には、「育児に協力したい」「賃貸暮らしでは家賃が負担ではないのか」「共働きで大変そうだから、一緒に暮らせば家事をやってあげられる」などといった親切心から同居を持ちかける人もいる。が、嫁としては、義母に借りを作りたくないし、気を遣うし、ダラダラしたり、くつろいだりしづらい、など、同居に気が進まない理由はいくらでもあるのだ。

●デリカシーのない言動

 一番よく挙げられるのが「そろそろ孫の顔が見たい」という義母からの子作り催促。子どもを持つか持たないかは夫婦間で話し合って決めるべき事柄であり、義母からライフスタイルに干渉されたくないと嫁は感じてしまう。また、子どもを望んでいるのになかなか授からず悩んでいる、夫(義母にとっての息子)が子作りに協力的ではないといった状況にいる嫁は、義母が悪気なく言い放った「孫が見たい」という言葉に、とことん傷つくこともあるのだ。

●過干渉

 必要以上に関わりを求め、あれやこれやと干渉してきたり、何かにつけて呼び出してくる義母に辟易している嫁もいる。年に数回義母と顔を合わせるだけなら我慢できるし演技もできるけど、毎週末ごとに顔を合わせるのはキツイ……というのが嫁の本音。そういった義母は、子離れできていないタイプが多く、息子の結婚後も、嫁に息子を任せられないと言わんばかりに世話を焼こうとする。まったく悪気ないのか、あるいは嫁への当てつけなのか……いずれにしろ嫁にとっては勘弁してほしいところだ。

●育児への干渉

 嫁にとって、夫(義母にとっては息子)への過干渉以上に我慢ならないのが、我が子(義母にとっては孫)へのありとあらゆる干渉である。妊娠中からアレコレ(食べ物は○○がいい、など)口出しされ、出産後は“先輩”面して時代に合わない育児アドバイスを繰り返され、ダサい子ども服を贈られ、仕事へ復帰をするときには「子どもがかわいそうじゃないの」「3歳までは一緒にいてあげないと」など、義母の育児干渉にいらだつ嫁も少なくない。子どもの手前、露骨に嫌な顔をすることもためらわれ、苦悩を深める……なんて話も。

●実家の悪口を言う

 近年、昔ながらの“嫁をいびり倒す姑”は減ってきたとされているが、嫁に対して失礼な発言、デリカシーに欠けた発言をする義母は少なからず存在している。嫁にとって最も聞き流せないのは、実家や自分の両親に対する悪口(「どんなしつけをされたの」など)で、なかなか水に流せるものではない。

●メール・LINE・SNS

 携帯やパソコンが一般に普及して20年以上過ぎた今、メールだけでなくLINEもSNSも使いこなせる義母が増えてきている。が、それがまた嫁にとっては厄介な話で、義母に交友関係を把握されたり、過去の投稿をさかのぼって閲覧されたり、趣味嗜好を把握されたり……かといってブロックするわけにもいかず、悩ましい話である。

■義母に助けられることもある!?

 ここまでは嫁にとってありがたくない義母の話をしてきたが、逆に「義母がいてくれて助かった!」と感謝の気持ちを持つ嫁もいる。世の中、意地悪な義母や面倒くさい義母ばかりではなく、いい義母もいるのである。いくつか事例を紹介したい。

「出産後、私は母乳育児でまとまった睡眠も取れずヘトヘトなのに、夫は気が向いたときだけ子どもをお風呂に入れる程度……。そんな夫のことを義母がボロクソにけなし、夫が改心」(29歳・会社員)

「以前の職場が長時間労働に加え、ハラスメントや残業代未払いの横行するブラック企業だったのですが、退職しづらい雰囲気もあり、なかなか辞められずにいました。が、あるとき義母に職場の話をすると『寝る間を惜しんでまで働くなんてばかげている。辞めちゃいな』と言ってくれて、即行で退職しました」(28歳・トレーナー)

「インフルエンザで寝込んでいるとき、数日分のおかずを調理してクール便で送ってもらえて大助かりだった」(34歳・パート)

■義母とのつきあいは“つかず離れず”で

「人生100年時代」とも言われる現代において、結婚した以上は同居にしろ別居にしろ「義母」とのつきあいが何十年と続いていく人も少なくない。好きにはなれない義母、価値観の合わない義母、過干渉の義母……なるべくストレスの溜めない義母とのつきあい方とは?

●「いいお嫁さん」にならなくてもよい

 結婚したばかりの頃は「うまくやっていきたい」「いいお嫁さんだと思われたい」という気持ちを持つ嫁もいるだろう。確かに最初は猫をかぶるのも可能かもしれない。が、それを何十年も継続させることは……おそらく難しい。特に義母自身が嫁に対して快い態度を示さない場合、嫁がどんなに尽くしたところで義母は嫁を受け入れようとしない可能性も高い。ゆえに「好かれなくてもしかたない」と割り切り、最低限のマナーを守ることのみに徹しておけばよいであろう。義母もまた一人の人間であり、嫁姑も人間関係の一種。気の合わない相手、受け入れられない相手が出てくることだってある。「合わなくてもしかたない」と割り切ろう。

●実母と比べない

 当然ながら実母と義母は違う。自分との関係性が違う(片や実の母子、片や義理の親子)し、そもそも実母と義母はそれぞれ個別の人格を持っている、これまでの人生で経験してきたことも、そこから得た価値観も異なって当たり前である。たとえば長年バリバリ働いてきた実母と、若くして結婚したため就労経験を持たない義母だと、生活習慣や家事スキルの常識が似通っているとは考えにくい。同じ「母親」「妻」という立場でも、いろいろな人がいることを念頭に置いておこう。

●義母の前で夫の悪口は言わないようにする

 たとえ事実に即した話であったとしても、夫の悪口を義母の前で話すのは“トラブルの火種”になりかねないため、なるべく控えておきたいところ。自分の子育てを失敗扱いされた、遠慮深さが足りない……など義母から余計な恨みを買うハメになる可能性もある。

●聞き役に徹する、そして聞き流す

 義母の話(自慢話、義父や親戚の悪口、育児論など)に対しては聞き役に徹し、話の内容は聞き流してしまうのがおススメである。矛盾や反発を感じることもあるかもしれないが、いわゆる“オチのない話”や“結論を求めない相談”をしているものだと捉え、聞いてもらっていることが重要なのだと理解しておく。

●ほどよい距離感を保つ

 義母の非常識さについていけない、義母とあまり顔を合わせたくない……という嫁もいれば、ピンチのときに助けてくれる義母に感謝しているという嫁、義母と気が合うから一緒に過ごすのが苦じゃないという嫁もいて、嫁姑関係も多種多様である。肝心なのは、自分にとって(できれば義母にとっても)ほどよい距離感を保つこと。いい嫁になる必要も好かれる必要もなく、自分にとって無理なくできる範囲でのつきあいを続けていけばよいのである。そして、そのためには「夫(義母にとっては息子)」の理解と協力が不可欠である。

●キーマンは夫、もしくは義父

 嫁姑問題においてキーマンとなるのが「夫」である。義母との関係を必要以上に悪化させないため、また必要以上に密な関わりになることを避けるためにも、とにかく夫を傍観者にしてはいけない。まず、結婚する前に相手の実家との関わりをどのようなものにしたいか話し合い(うやむやにさせてはいけない)、決して嫁(妻)に任せきりにせず可能な限りフォローしてもらうよう、約束を取りつけておく。そして「お義母さんとの関係がこじれてにっちもさっちもいかなくなったら、離婚もありえるからね」と釘を刺しておきたいところだ。

 また、義父をパイプ役にして義母との関係を潤滑なものに……という方法もよく聞くが、必ずしも安易にとるべき方法ではない。義母が嫉妬深いタイプだったり、義母と義父の関係が良好ではない場合は、かえってゴタゴタに巻き込まれかねないため、要注意である。

■義母への「母の日」「誕生日」プレゼントは?

 テレビのワイドショーやネット上では日々、嫁姑問題・嫁姑バトルが取り上げられているものの、母の日や誕生日には義母へプレゼントを欠かさないという嫁も少なくない。両者の関係を良好に保つために、手っ取り早く効果が出る。現在人気のアイテムは、旅行(券)、お食事(券)、スイーツ類、ファッションアイテムなどだ。

■まとめ

 近年は、嫁姑の同居もめっきり減り、「長男に嫁いだからには義母に尽くすべき」という価値観も薄らぎ、姑自身が嫁との同居を望まないケースも少なくないという。が、ひとつ屋根の下で暮らさなければ問題ない……というものではないのが嫁姑問題。LINEやSNSでうっかり義母とつながってしまってしんどい、などという、昭和とはまた違ったケースもある。

 結婚したらほぼセットでついてくる「義母」。好かれなくても気に入られなくてもいい。ただ、何十年もつきあいが続く以上、険悪なのもしんどいだろうから、最低限の礼儀を備えた上で、「夫」を介し(重要!)、自分に合ったペースでつきあいたいところだ。

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