富岡八幡宮殺傷事件で注目される「神社のタブー」

 12月7日、富岡八幡宮(東京都江東区)で、宮司の姉・富岡長子さん(58)を、元宮司の弟・富岡茂永容疑者(56)が殺害するという凄惨な事件が起きた。「実の姉を殺害……しかも、その後、茂永容疑者は共犯の妻・真里子容疑者(49)を殺害して自殺。宮司付の運転手の男性も重傷を負っています。400年近い歴史、威容を誇る神社で、こんな事件が起きるとは……」(全国紙社会部記者)

 両国に近く「勧進相撲」発祥の神社・富岡八幡宮は、江戸時代に創建。奇しくも、相撲界が暴力沙汰で揺れる中、何かの呪いであるかのように、ドギツイ“因縁”が連日、報じられている。「宮司は、いわば神社のトップ。全権力が集中します。もともと富岡八幡宮は弟の茂永が宮司を務めていましたが、素行不良でクビとなり、姉の長子さんが宮司となりました。しかし、追放された茂永は面白くない。関係はこじれ、姉に恨みを募らせ、殺害に至ったようです」(前同)

■“金”の問題が大きい

 弟がここまで神職に執着した理由――それは、神社のタブーと言うべき“金”の問題が大きいという。「神社にも、元締めの包括団体がある。それが、“神社本庁”です」と言うのは、神社関係者。「神社本庁は“神宮大麻”という神札を発行して、傘下の約8万の神社(全神社の約90%)に卸し、売上の半分を持っていく。加えて、会員費なども募り、年間10億円もの“上納金”を神社から集めています」(前同)

 神社本庁は、絶対の存在。神職の給料の上限も、神社本庁の規定で決められ、全国で統一されている。「月額の上限は60万円ですが、この額をもらえるのは一握り。富岡八幡宮は優良な大神社で、参拝客も多いので、茂永は上限に近かったと思われます。さらに、神社は宗教活動を目的とした非営利組織なので、税金にも特殊な基準がある。寄付金や喜捨金は課税対象外の特定収入。お賽銭やおみくじなどで得た収入、運営する幼稚園の保育料などには消費税が課せられません。やり方次第で相当、儲かります」(同)

 富岡八幡宮に限って言えば、近隣の駐車場経営で年間約1億円の収入を得ていたといい、富岡長子さんの自宅も豪邸そのもの。「茂永氏は、銀座や錦糸町での“クラブ遊び”に没頭。高級家具や外車を購入するなど、贅の限りを尽くしていたとも報じられています。これは月収60万円では不可能な金遣い。神社の特定収入に手をつけていたとの声もあります」(同)

■神社は世襲制がいまだ根強い

 十分すぎる蓄財があったのだろう。神社事情に内通するジャーナリストは、「神社は、世襲制がいまだ根強いんです」と渋い顔で言い、こう続ける。「大物タレントの二世と同じで、うまく行っている神社の子息には、ボンクラが少なくない。神職と無関係の大学に行っても、放蕩息子として遊び回ってても、親が引退するタイミングで神社を継げばいいと考えているケースが多い……」

 前出の関係者が言う。「茂永氏は宮司職を引いた際に退職金2億円をもらい、以降も支援金として毎月30万円を神社から得ていたそうです。しかし、それが打ち切りとなり、逆上したとの話もあります」

 毒にもなるのが、金なのか――。

本日の新着記事を読む