「インフルエンザは怖くない」適正な対処法とは?の画像
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 寒風吹きすさぶ日本列島では今、インフルエンザが猛威を振るっている。「国立感染症研究所の報告によれば、1月下旬から毎週のように300万人近い人がインフルエンザを発症。今冬の累積計患者数は、1月末で既に約1100万人です」(全国紙社会部記者)

 受診者数も、ほとんどの都道府県で“警報レベル”。「例年なら2月頃からはやりだすB型が、今年は早くから流行。B型とA型が同時に流行していることも一因のようです」(前同)

 最近では、病院での集団発生や、老人や小児などの死亡・重症例などの報道もあり、不安に感じている人もいるだろう。だが、騒がれているほどインフルエンザは怖くない。「外出時にマスクをつけ、帰宅したら手洗い。これを徹底するだけで、かなり予防効果があります。また、予防接種も有効でしょう」(医療ジャーナリスト)

 さらに、より効果的な予防法もあるという。「水分を20分ごとにとるんです。乾燥した喉にインフルエンザウイルスが付着し、発症するケースが多いんですが、水分をとることで喉が湿り、抵抗力が十分に発揮される。インフルエンザ対策の妊婦講習などでは有名な撃退法です」(前同)

■安静、睡眠、水分と栄養の十分な摂取を

 しかも、罹患しても大丈夫。下村労働衛生コンサルタント事務所の代表の下村洋一医師は、こう説明する。「子どもや高齢者は、重症化させると大変なことになるので、インフルエンザを侮ってはいけません。しかし、普通の成人であれば、それほど怖がる必要はないんです」

 5歳未満の子ども、65歳以上の高齢者、さらに、喘息、肺の疾患などの持病のある人などは、抗インフルエンザ薬を処方するなど、適切な治療が望ましい。しかし、健康な人であれば、神経質にならなくてもいいというのだ。「テレビCMなどの影響なのか、今の人たちは、インフルエンザにかかると、すぐに病院に駆け込みます。しかし、インフルエンザは本来、自宅療養で治る病気です。安静、睡眠、水分と栄養の十分な摂取に気をつければいいんです」(前出のジャーナリスト)

 また、免疫力の高い3割くらいの人は、インフルエンザに“感染”しても“発症”せず、気づかないことさえあるのだという。「感染して1~3日間は、体内でウイルスが発症する“必要数”まで増やしている状況。免疫力の高い人は、発症する前にインフルエンザウイルスを退治してしまうんです」(前同)

 まさに、インフルエンザ恐るるに足らず。しかも、医療機関に足を運べば完治も早い。「今は、インフルエンザウイルスに直接アタックするタミフルといった効果的な薬もあります。服用すると通常より1~2日は早く治ります。また、インフルエンザ以外の病気にかかっている場合も、診察してもらえば安心ですよ」(前出の下村氏)

 自宅で安静、心配ならば病院に行って診察を受ける――実は、これでいいのだ。

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