降雪の可能性があるこの時期に、3日間、競馬をやる必要はあるのかな? 2月2週の変則3日間競馬(土曜が京都と小倉。日曜が京都と東京。月曜が東京と小倉)で、その心配が現実のものになってしまいました。土曜は小倉。日、月は東京開催に参戦した僕は難を逃れましたが、月曜の小倉開催が雪のため順延。出走馬、馬番などの変更はなかったとはいえ、その影響は小さくありませんでした。

――競馬場に行くのを楽しみにしていたのに……。競馬ファンの声が聞こえてきます。馬券はネットで買えますが、競馬の楽しみ方はそれだけではありません。僕ら騎手にとっても、ガラガラのスタンドより、ファンの熱気を感じられるスタンドのほうが、はるかにやりがいがあります。調教のスケジュールなどを変更しなければならなくなった厩舎の方にとっても、順延は苦労することばかりだし、出走する馬にかかるストレスも相当なものです。順延は、いいことがひとつもありません。降雪による順延は想定外ではなく、この時期は雪が降ることも想定し、来年以降、考え直してもらいたいものです。

■今週はG3阪急杯とG2中山記念

 気を取り直して、今週の騎乗馬について話をしましょう。今週末、2月24、25日は阪神、中山、小倉の3場開催。重賞競走は、2つとも25日、日曜日で、一つは阪神で行われるG3「阪急杯」(芝1400メートル)。もう一つは中山競馬場を舞台にしたG2「中山記念」(芝1800メートル)です。

――中山と阪神なら、阪神のほうがイメージはいいはず? そう思いますよね。でも「阪急杯」で勝ったのは、ず~~~っと前(苦笑)。デビュー3年目にコンビを組んだホリノライデン一頭だけ。中山記念も、勝ち星こそ2つですが、そのうちの一つは、あのサイレンススズカとともに挙げた勝利で、彼にとっては、これが初の重賞制覇となった思い出深いレースです。

 今年は、その中山記念にエアスピネルとともに参戦する予定でしたが……残念ながら、右前撓骨骨膜炎を発症。レースを回避することになってしまいました。

――えっ!? 春は全休? そんな声が、あちこちから聞こえてきそうですね。でも、大丈夫。そこまでひどいものでありません。笹田先生によると、「普通の馬なら使えるくらい軽度なもの。大事を取って休ませる」ということで、放牧を挟んで、「マイラーズC」(4月22日)から、春の大目標G1「安田記念」(6月3日)に向かう予定です。

 エアスピネルは一昨年のクラシックをともに戦った戦友で、“いつか大きなタイトルを取りたい”と強く思っているパートナーです。だからこそ、少しの不安もなく乗りたい――僕の思いも、笹田先生と同じです。JRA通算4000勝まで、あと45勝。エアスピネルと一緒に挑む「安田記念」で……というのは正直、厳しい数字ですが、不可能ではありません。そこに向かって、今週も頑張ります。

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