『わろてんか』、葵わかなが「広瀬アリスとの別れのシーン」に込めた思いの画像
『わろてんか』、葵わかなが「広瀬アリスとの別れのシーン」に込めた思いの画像

 連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)は、最近、昼ドラばりの恋愛ドラマを展開中! 目下、てん(葵わかな/19)の息子である隼也(成田凌/24)と、銀行の社長令嬢であるつばき(水上京香/22)との悲恋が中心になっている。しかし、2月26日からの週の放送では、『わろてんか』ファンにとって大きな事件が起きた。

 まず、3月2日の放送回を振り返ってみよう。リリコ(広瀬アリス/23)と四郎(松尾諭/42)の漫才コンビ、ミスリリコ・アンドシローは舞台上で、結婚と上海へ渡ることを発表。四郎は舞台上で号泣し、リリコは涙をこらえながら漫才を披露した。二人の門出を祝い、風鳥亭の面々それぞれがやさしい言葉をかけると、リリコの目にはうっすらと涙が浮かんだ。

 そしてある日、てんは自分の家の前で頭を下げるつばきの姿を見つける。つばきは自分が家出してきたこと、縁談相手と結婚する気はないということを、てんに告げる。その後、つばきは風太(濱田岳/29)の家にかくまわれ、隼也とは会えずじまいだった。その後も、つばきは結婚しないと譲らなかったが、とうとう隼也が飛び出してきて……。

■女優としてステップアップした広瀬アリス!

 隼也とつばきの恋はもちろん気になるけれど、リリコの退場が筆者にとっては先週の放送で、最大のニュースだった。SNSでも“リリコロス”を叫ぶコメントが多数見られる。思えば、リリコは、藤吉(松坂桃李/29)をめぐり、てんの恋敵として登場。その後、伊能(高橋一生/37)の元では映画女優、北村笑店では漫才師と、実は他の誰よりも派手な人生を送ってきた。それと同時に、ヒロインであるてんの、見事な伴奏者だったともいえる。その証拠に、てんを演じる葵わかなはNHK大阪放送局のブログ『週末のヒロイン』(3月3日公開分)で、リリコへの思いを書いていた。

 葵は、これまでライバル関係だったてんとリリコがお互いの友情を確認できるシーンがなかったため、「リリコさんと四郎さん(松尾諭)を見送るシーンでは、“どこに行っても、うちらの仲は一生もんや。おきばりやす”というセリフを言わせていただきました」とし、続けて「2人を送り出すのはさびしかったけど、自分たちで決めた道を歩き出そうとしている姿が、ほほえましくてカッコよくて、心から全力で後押ししてあげたいと思いました」(原文ママ)と、リリコとの最後のシーンに込めた思いを明かしていた。 

 この葵の言葉には、思わずジーンとしてしまった。心を通わせる友人として、ヒロインのてんを支えてきたリリコは、もう一人のヒロインと言えるだろう。この難しい役を見事にこなした広瀬アリスは、このドラマで最も株を上げたのではないだろうか。『わろてんか』開始から広瀬アリスのネット記事を見る機会も一気に増えた。とはいえ、次週予告にもリリコがチラッと出ていたし、早くもスピンオフドラマの放送も決定している。まだまだ“リリコロス”を叫ぶには、早いようだ。(半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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