『わろてんか』、高橋一生“栞さまロス”なしの大団円へ

 放送期間が半年間と長いこともあって、良くも悪くも注目を浴び続ける、NHKの連続テレビ小説。現在放送中の『わろてんか』は、放送開始当初こそ厳しい視聴者の声が目についたが、最近は安定した視聴率を獲得している。SNSでもファンから「朝からありがとう!」「あともう少し。ロスになりそう」など愛情たっぷりのコメントが寄せられている。放送も残り2週間弱となったが、先週はまさに“高橋一生(37)劇場”で、ファンにはたまらない週だった。

 まずは3月17日の放送回を振り返ってみよう。映画『お笑い忠臣蔵』を作るために、伊能栞(高橋)を中心に奮闘する北村笑店の面々。てん(葵わかな/19)は検閲が通らなかった脚本をもう一度検討してもらおうと、検閲官を説得しに行く。しかし、検閲を通らない理由が伊能の存在にあったことが判明し、てんは大阪に戻って脚本の再提出をすることを決める。伊能は、新世紀キネマというライバル会社が横やりを入れたせいではと分析するが、同時に自分が関わっていることで検閲が通らないという事実に気づいていた。その後、北村笑店の通天閣買収計画を揶揄する新聞記事が出て、婦人会が抗議に訪れると、てんは「うちの映画はいやらしくも、はしたなくもありまへん」と、これに強く抵抗。てんは幻となった藤吉(松坂桃李/29)と語らい、伊能を守ることを誓うが、伊能は北村笑店を去ることを心に決めていた。

 この日も高橋一生の芝居が見ものだった。“陰のあるイケメン”を演じたら、今では右に出るものはいないのでは。伊能が抱える悲しみや葛藤を、表情や少ないセリフで見事に表現していた。伊能の持つダークな雰囲気と哀愁は、昨年人気を博した大河ドラマ『おんな城主直虎』(NHK)の小野但馬守政次や、ドラマ『カルテット』(TBS系)の家森諭高にも共通するところだろう。

■高橋一生の料理シーンにファン歓喜!

 先週は他にも“高橋一生シフト”ともいえる、一生ファンにはうれしい演出が相次いだ。風太(濱田岳/29)の家に居候することになった伊能が、笑顔で料理の腕前を披露したり、劇中劇で忠臣蔵の堀部安兵衛を演じたりと、高橋一生のダークさではなく、かわいらしさを際立たせる演出が多かったのだ。ファンから“栞さま”と呼ばれ、視聴率アップに大貢献した高橋一生への恩返しなのかと思ってしまうぐらい、高橋に目が行ってしまうシーンが多かった。

 ヒロインであるてんのお見合い相手として登場したものの二人は結ばれず、という展開から、伊能を見て2015年下半期の朝ドラ『あさが来た』の五代様を思い出した人も多かったはず。ディーン・フジオカ(37)が演じた五代様は、物語の途中で死んでしまい、“五代ロス”という言葉を生んだが、高橋一生が演じる栞さまは、なんとか物語最終盤まで登場してくれた。今週の放送で一度は北村笑店を去ってしまう伊能だが、最終週には復帰してくれるのでは? 再び高橋一生シフトの演出が見られることを、心から願いたい。

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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