貴乃花親方、出直しの「下積み10年」

 報復人事が招くのは安定か、それとも新たな火種か――孤高の大横綱の行く末は!? 大相撲バトル最終章!

 半年にわたる角界暗闘に、ついに終止符が打たれた。「3月26日に行われた相撲協会の理事会で、八角親方(元横綱・北勝海)の理事長3選が全会一致で決定。一方、対立していた貴乃花親方(元横綱)は、28日の臨時年寄総会で、これまでの言動を全面的に謝罪しました」(相撲記者)

 その結果、貴乃花親方には、審判部への配属と、最下位であるヒラ年寄への2階級降格処分が下された。「まさに本人も語った通り、“一兵卒として出直し”です」(前同)

 年寄総会後、高田川親方(元関脇・安芸乃島)は、「今後、どういう行動を取っていただけるか。一番の問題だと思います」と貴乃花親方を警戒したが、協会による監視体制は万全。「審判部長に、貴乃花一門から理事に選ばれた阿武松親方(元関脇・益荒雄)を据えたのがポイントです。新理事は通常、閑職の相撲教習所長から始めるのが定番ですが、いきなり花形の審判部長に大抜擢。これは貴一門を協会側に取り込み、貴乃花親方が再び反撃に出ないよう、“見張っておけ”ということでしょう」(同)

 一方、阿武松親方は貴乃花親方が契約解除とならないよう、協会に嘆願書を提出するなど、“貴救済”に向けても尽力してきた。「貴乃花親方としても、恩のある阿武松親方のメンツを簡単には潰せない。当面は、協会に服従するしかありません」(同)

 さらに阿武松親方の下には、貴乃花親方と仲が悪いという高田川親方が審判部副部長として睨みを利かす。「高田川親方は、“一門の中には契約解除が妥当という声もある”と発言するなど“反・貴派”の急先鋒。錦戸親方(元関脇・水戸泉)とともに役員待遇への昇格が決まりましたが、八角理事長への忠誠心が評価されたのではないかという声もあります」(同)

■イジメはかなり陰湿?

 貴乃花親方の掲げた協会改革は結局、大惨敗に終わったわけだが、騒動の間も貴乃花親方と頻繁に連絡を取り合っていた知人は、次のように内情を明かした。「すべては暴行事件を起こした、弟子の貴公俊を守るためです。通常、こうしたケースで引退勧告にまでは至りませんが、貴乃花親方が協会に抵抗している以上、その報復として貴公俊が解雇される可能性は、十分にありました。だから、1場所休場の処分で済んで“本当に良かったです”と親方は大喜びしていました。“それだけで満足していちゃダメでしょう”と、思わず意見したほどですよ」

 また、貴乃花親方の“春場所無断欠勤”もヒラ降格の理由の一つだが、これにも裏事情があったという。「協会側につけ入る隙を与えたのは失敗でしたが、貴乃花親方に対するイジメはかなり陰湿だったようです。日頃から出勤すると、“どの面下げて来るんだ”、“協会を潰す気か”などと、面と向かって、あるいはブツブツと独り言のようにささやかれたとか。親方は“居心地悪いんですよ”と、よく漏らしていました。特に春場所直前には、内閣府に告発状を出していましたから、なおさら気まずかったでしょう。それに、行っても何も仕事はないそうですし……」

 とはいえ、この程度のことで精神的に参っているようではなかったという。「単に、行っても意味がないなら欠勤してもいい、大したことはないと思っていたようです」(前同)

 だが、本場所開催中、親方衆は全員、会場に出勤する義務がある。「テレビへの無断出演や、内閣府への告発状より、無断欠勤を問題視している親方衆は多かった。最低限のルールも守れないようじゃ、改革どころではないでしょう」(協会関係者)

■貴乃花一門解体の危機

 足元をすくわれた貴乃花親方だが、その結果、今や貴乃花一門も解体の危機にあるという。かつて貴乃花部屋とその一門を熱心に応援していた後援者の一人に話を聞くと、こんな答えが返って来た。「貴乃花一門といっても、そもそも強固なつながりがあったわけではないんです。理事長有力候補から、あれよという間にヒラ年寄にまで落ちて、誰がついて行きます? まして、孤立無援の今の貴乃花親方に味方すれば、“貴シンパ”と見なされて部屋まで徹底してイジメられますからね。新理事となった阿武松親方が貴乃花親方に代わって一門をまとめるか、ちりぢりの無派閥となるかでしょう」

 そんな窮地の貴乃花親方を、さらに追い込むのが台所事情だ。「理事時代の月収は144万8000円でしたが、5階級下がってヒラの年寄となると、月収は64万円ダウンの80万8000円。現在の貴乃花部屋は賃借で、その家賃は高額ですから、財政状況はかなり厳しくなります。おかみさんの花田景子さんにも、一肌脱いでもらわないといけないのでは」(後援者の一人)

■八角理事長体制は盤石に

 一兵卒・貴乃花親方に茨の道が待ち受ける一方、その地位をさらに強固なものとしたのが八角理事長。「ライバル不在の中、無風で理事長3選を決め、今や八角体制は盤石。関係者の多くは八角理事長が5期10年務めると見ています。仮に理事長を辞めても、八角理事長の指南役を務める、ナンバー2の尾車親方(元大関・琴風)が継ぐでしょう」(スポーツ紙記者)

 こうなると、貴乃花親方の“下積み期間”は、10年は続くことになる。しかも、新たなライバルまで出現しているという。「今回、貴乃花親方の“見張り番”として、副理事の藤島親方(元大関・武双山)も審判部副部長になりましたが、彼は最大派閥・出羽海一門で、貴乃花と同年代のエース。将来の理事長候補とも目されています」(前出の相撲記者)

■引退した白鵬に地位を追い抜かれる可能性も

 出直したとて、理事長など論外、理事の芽すら白紙が現状のようだ。さらに、「貴乃花親方が向こう10年、下積み仕事をしているうちに、確実に白鵬は引退します。国籍問題さえクリアすれば、優勝回数40回という偉業を達成した白鵬に、一代年寄が承認されることは必至。通常、引退したての“親方1年生”はヒラの年寄から始め、花道の警備や切符のモギリなどを担当しますが、一代年寄の場合は、3段階上の“委員”から始めるのが通例です。数年たっても、貴乃花親方がヒラ年寄のままだとすると、白鵬にその地位を追い抜かれる可能性すらあります」(前同)

 そもそも、貴乃花親方が頑なに協会へ反発してきたのは、元日馬富士による暴行事件現場に同席していた白鵬の責任も追及するため。「テレビ朝日による独占インタビューでも“暴行事件に同席した力士が土俵に上がるというのは、神事に反する”と、白鵬らを猛批判しました。そんな白鵬に地位も月収も劣ることになれば、その胸中はいかばかりでしょうか……」(同)

 絶望的な状況に陥った貴乃花親方だが、唯一の救いはファンの存在だという。「春場所では、京都府宇治市の貴乃花部屋宿舎に、ファンからの差し入れが殺到。飲料水から米、肉、野菜などの現物が届きましたが、いつもの倍以上の量でした。さらに、場所前の3月4日の日曜には、公開稽古に600人以上が見学に訪れました。これは宇治市を拠点とした11年前から、歴代最多の人数ですよ」(地元記者)

 騒動はいったん収束したが、協会の隠ぺい体質はいまだ解決されぬまま。ファンの応援を背に、貴乃花親方が動き出す日は、来るのだろうか――。

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