4月15日、『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)第3話「たんたん坊の妖怪城」が放送された。クールに人間と距離を置いていた鬼太郎が、その心の内に熱く優しい気持ちを秘めていることが分かる、まさに“神回”だった。
第1話から鬼太郎と交流してきた犬山まなが、都会で次々と人間の子どもたちが行方不明になる噂を聞きつけ、鬼太郎に相談。しかし鬼太郎は、ともに戦うことを「やめたほうがいい」と止め、さらに「妖怪と人間は友だちにはなれないよ」と冷たく突き放すのだった。
鬼太郎たちが捜査すると「たんたん坊」という妖怪が、かつて自分が築き上げた妖怪城を再建するために人柱となる子どもたちをさらっていたことが判明する。たんたん坊は、もともと「二口女」や「かまいたち」とともに山奥に築いた妖怪城もろとも岩に封じられていた妖怪。だが、妖怪城があった山を人間たちが崩したため、封印していた岩が崩れ、封印が解かれてしまったのだ。
まなは、たんたん坊たちが作った人柱を偶然発見するが、そのまま捕まってしまう。鬼太郎は、ねこ娘、砂かけばばあ、子泣きじじい、ぬりかべ、一反もめんとともに、まなを奪還するため立ち上がる。そしてたんたん坊に苦戦しつつも、まなが持っていた携帯電話がきっかけで急所の人柱を発見し、まなの救出とたんたん坊たちの退治に成功する。
人間と距離を置き、今までのシリーズよりいっそうクールに描かれている今シリーズの鬼太郎。だが、たんたん坊に「今の傲慢な人間たちに確かに腹が立つこともあるさ。でもそのやり口をマネて滅ぼそうとした時点で貴様は、人間と同等、いやそれ以下だ!」と怒りをあらわにするなど、鬼太郎らしい熱い思いはやっぱり健在。
さらに、鬼太郎はずっとまなに冷たく接してきたが、それは彼女を妖怪の事件に巻き込みたくなかったからだと語る。それを聞いたねこ娘は「そう思ってるって……、結局まなが大事だからじゃない」と指摘。「妖怪と人間は友だちになれない」と言いつつも、最後はまなと握手を交わし、クールな表情を崩して優しい笑顔に。観ていて思わず顔がほころぶような和やかな場面になった。
今シリーズは激しいバトルシーンも話題だが、人間に興味を持っていなかった鬼太郎の心の変化の描かれ方も見どころ。今後鬼太郎とまながどのような関係性になっていくのか目が離せない。