石橋凌
石橋凌

 テレビ東京にて毎週木曜日に放送中の殺し屋ドラマ『スモーキング』。その主演である俳優・石橋凌氏がドラマの見どころを語ってくれた!

――今回のオファーを受けて、初めはどう感じましたか?

「出演が決まってから、原作の漫画を買いに本屋さんに走りました。ストーリーを読んで、これはすぐに面白いなと思いましたね。殺し屋で剥師でありながら、物腰柔らかい佐辺ジィのキャラクターにも惹かれる部分がありました」

――演じるのにあたって原作のキャラクターに近づけようとお考えになったのでしょうか。

「そうですね。僕の場合は、原作がある場合はいつも、なるべくそのキャラクターに近づけて、ファンの方に“まさしくこれだ!”と思ってもらえるように演じていますね」

――そうなんですね。ドラマはこれから後半戦に差し掛かりますが、原作漫画に沿った内容なのでしょうか。

「基本的には原作と共通しているんですが、漫画では描かれてない部分がドラマでは多くあって、広がりを持っています。たとえば、殺し屋の仲間たちの過去やトラウマが映像で細かく描かれているので原作ファンの方も違った楽しみ方ができるのではないかと思いますよ」

――殺し屋役ということで、役柄についてはどうお考えですか。

「基本的に僕のところに回ってくるのは悪党か危ない男(笑)。でも今回はいい悪党だと思います。自分の美学、哲学を持っていて冷徹でありながら、時に優しく温かい心を持っている。そこが残酷でもあるんです」

――ただの悪い殺し屋ではないということですよね。

「そうですね。ただの悪者ではなく、正義の痛さや怖さを描いている役なんです。いまの日本に少なくなってきていると思うのですが、確固たる信念を持っている男ですね」

――演じるにあたり注意を払ったり、気を遣った部分はありますか。

「あまりなかったですね。わりと信じてもらえないのですが、僕は撮影以外でも普段からその役で過ごすようにするスタイルなんです。役を自分の身に降ろすというか。恐山のイタコのようなものですね(笑)。芝居をせず“役で生きている”ので、撮影する時は自然体でしたね」

――これから放送はラストに向かっていきますが、見どころは?

「いまの日本にシンクロする話に展開としていくと思います。世の中には理不尽なことや不条理なことがいろいろあるかと思いますが、それをすべてひっくるめて本当の悪の元凶とは何なのだ、というのが表現されていくと思います。見た後に何か考えさせられる。自分にとっても俳優としてやりがいのあるものでした」

――最後に本誌の読者に向けてメッセージをお願いします。

「この作品で、気持ちをスカッとさせてほしいですね。ぼくと同世代の方は、いろいろとあきらめやすい年齢に差し掛かっていると思いますが、どうか飲みこまないで一緒に戦っていこうよ、と伝えたいですね」

撮影/丸山剛史

石橋凌(いしばし・りょう)
1956年7月20日生まれ、福岡県出身。1978年、伝説的ロックバンドA.R.B.のヴォーカリストとしてデビュー。2006年に解散し、2011年からソロで音楽活動を再開。並行して、俳優としても映画やドラマに数多く出演。三池崇史監督や北野武監督作品、ハリウッド作品にも出演している。アメリカの映画俳優組合、SAG(Screen Actors’Guild)の正式メンバーでもある。テレビ東京では今作が初主演。今年デビュー40周年を迎える。

●木ドラ25『スモーキング』絶賛放送中!
テレビ東京・毎週木曜深夜1時~1時30分
BSジャパン・毎週火曜深夜0時~0時30分
Netflix配信・2018年7月27日全世界全話一挙配信予定

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