博多大吉(博多華丸・大吉)
博多大吉(博多華丸・大吉)

 地方を中心に活動してきたお笑い芸人は、東京進出をきっかけに、一気に全国区の人気者になることも少なくない。しかしその裏側では、さまざまな苦労話や失敗談などに事欠かないようだ。そこで地方から上京してきた人気お笑い芸人たちの、東京進出にまつわるエピソードを紹介していこう。

 今や漫才界の重鎮で、『あさイチ』(NHK)のキャスターも務めている博多華丸・大吉は、2005年に芸能活動の拠点を福岡から東京に移している。上京前の華大は、福岡で抜群の知名度を誇り、地方のテレビ番組に多数出演していた。しかし、関西の芸人への劣等感を抱いていた大吉は、全国放送には恐怖を抱いていたという。

 そんな華大に東京進出を決意させたのが、歌手の氷川きよしだ。当時、氷川と華大が福岡で一緒に番組をやることになり、そのとき氷川から「二人なら東京でもいけるんじゃないですか」と背中を押されたことを、16年10月放送の『1周回って知らない話』(日本テレビ系)の中で明かしている。

 ちなみに華丸は「東京にいるのは50(歳)まで」「(20年の)東京オリンピックは福岡で見たい」などと語っている。

 最近、東京に上京してきたばかりなのが、「キングオブコント2017」の覇者であるかまいたち。二人は18年4月に東京進出を果たし、濱家隆一の住まいは吉本興業の東京本部に近い新宿で、山内健司は天王洲アイルに住んでいることを本人が明かしている。現在、二人の目標は「キングオブコント」に続いて、「M-1グランプリ」優勝を挙げており、「お笑い界の二刀流、お笑い界の大谷(翔平)」を目指しているという。

 並々ならぬ覚悟を胸に東京に進出してきたのが、尼神インターだ。2017年放送の『深イイしゃべくり毒舌合体SP』(日本テレビ系)に出演した渚は、上京するときに、長年つきあっていた彼氏に別れを告げたと衝撃の告白。また、上京時に生まれて初めて実家を出たそうで、東京でホームシックにかかったことも明かしている。

 一方、相方の誠子のほうは、東京暮らしを満喫しているようで、好きな人と結婚できたら芸人を辞めてもいいとも語っており、コンビ内で芸に対する温度差がかなりあるようだ。

 東京進出で何度も苦い思いをしてきたのが、お笑いコンビTKOだ。『魔法のレストランR』(MBS)に出演した木本武宏は、関西で人気が出て東京進出を目指したものの、うまくいかず、月収が3万円だった時期もあると告白。

 相方の木下隆行も「東京での仕事でもらった新幹線のチケットを換金して、ヒッチハイクで東京に行った」など、当時の貧しさを物語るエピソードを語っていた。そして、これまでことごとく失敗してきたTKOは、「キングオブコント」の活躍などで知名度を上げ、ついに5度目の東京進出で成功をつかむことに。

 TKO同様、東京進出がアダとなって収入が激減したと語ったのは、とろサーモンの2人。「M-1グランプリ2017」に優勝し、今勢いに乗るコンビだが、実は2人が東京進出を果たしたのは、2010年のこと。2017年12月放送の『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)の中で、ブレイク前の苦労話を語った。

 大阪時代は仕事も多く、かなりの高収入だったが、東京進出後は「(月収)3万円くらいになりました」と、久保田かずのぶが告白。大阪に帰るお金すらなかったそうで、食べていくために“靴磨き”や“石焼き芋屋”“客引き”といったバイトをしながら、ひたすら芸を磨いていたという。

 全国区の人気者になることを夢見て、満を持して東京へと上京してくる地方出身の芸人たち。しかし、誰もが成功をつかめるとは限らないのが、厳しい現実のようだ。

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