振り込め、還付金、架空請求…特殊詐欺はなぜ増加した?

 昨年4月、反社会組織の50代の組長や幹部が万引きで逮捕された。逮捕容疑は米やスイカ、惣菜などの食品、日用品を大量に万引きしたというもの。困窮した裏社会を象徴する事件として、大きな話題になった。「密漁などは昔からある古典的なシノギですが、現在、反社会組織の構成員はカネを稼ぐことができません。飲食店からみかじめ料を取れなくなったし、組事務所や住居も借りられない。建設業やサービス業などカタギの仕事からも排除され、銀行口座も持てない。何かすると、すぐに逮捕されてしまいます」

 代わりに暗躍し始めた“半グレ集団”が、あらゆる犯罪に手を染めている。各種ドラッグの販売や金の密輸は法律による規制が厳しくなって下火になってきているが、警視庁の発表によると、振り込め詐欺など特殊詐欺の被害件数は7年連続で増加中だ。「かつて、反社会組織はオレオレ詐欺を実行する半グレ集団や素人を抱えていて、アジトや道具、詐欺のノウハウなどを提供していました。しかし、現在ではそれもできない。そのため、半グレ集団の動きは警察も把握できていません」

 詐欺の被害者になりやすいのは、高齢者である。騙されないための対策はあるのだろうか。「一度、私にもオレオレ詐欺の電話がかかってきたことがあります。逆に脅してやろうと思って“カネを払ってやるから取りに来い”と言ったら、切れてしまいましたが。やはり家族同士でマメに連絡を取って、合言葉などを決めておく必要があるでしょう」

 警視庁のホームページでは、振り込め詐欺だけでなく、還付金詐欺、架空請求詐欺、金融商品取引、ギャンブル必勝法情報の販売などについて警告されている。金銭や個人情報、カード番号などを要求する電話がかかってきたら、まず冷静になって、関係機関に問い合わせをしたい。「電話を簡単に信用してはいけません。現代は善人が多い社会で、他人に騙されることを考えない傾向があります。特に、新しくできた人間関係には特に注意が必要です。他人が儲け話や出資を持ちかけてきたら、疑ってかかるべき。世の中、“いい話”など絶対にありませんからね」

 自分の身を守れるのは、自分だけ。貴重な資産を失わないためには、悪人に騙されないように、くれぐれも注意したい。

宮崎学(みやざき・まなぶ)『突破者』(南風社、幻冬舎アウトロー文庫)で作家デビュー。グリコ・森永事件では、最重要人物「キツネ目の男」の容疑者としてマークされた。

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