夏の甲子園は大正4年、すなわち1915年にスタートした。戦争の影響で昭和16年(1941年)から20年(45年)までの5年間は中断している。そのため、今年が節目の100回目の大会となる。なお春の甲子園がスタートしたのは、夏から遅れること9年、1924年のことである。

 では春夏合わせて、最も高い勝率を誇る監督は誰か。通算30勝以上で調べたところ、堂々の1位はPL学園(大阪)に黄金時代をもたらした中村順司だった。58勝10敗、勝率8割5分3厘。チームを春夏3回ずつ、日本一に導いている。栄えあるPL学園の歴史の中でも桑田真澄清原和博の1年生コンビが大活躍した83年の夏は、ひときわ強い輝きを放っている。

 この夏の優勝候補の筆頭は82年夏、83年春に続いて甲子園3季連続優勝を狙う池田(徳島)だった。マウンドには剛腕・水野雄仁。打っては破壊力抜群の「山びこ打線」。両校は準決勝で対決するが、池田の圧勝を予想する声がほとんどだった。しかし、勝ったのはPL。それも7対0の完勝だった。

 決戦前夜、中村は選手たちを集め、こう檄を飛ばした。「流し打ちなんてチャチなことを考えるな。ストレートは思い切り引っ張っていけ!」

 効果てき面だった。2回裏、水野の内角球を桑田がレフトスタンドに叩き込んだ。これで勢いづいたPLは投打ともに池田を圧倒したのである。池田時代の終焉、そしてPL時代の幕明けでもあった。

 甲子園で勝つ極意とは?「甲子園という舞台は、本当に何が起こるかわからない。結局は気持ちが強い方が勝つんです。それを教えてくれたのが池田戦でしたね」

 中村が残した記録を猛追している監督がいる。大阪桐蔭(大阪)の西谷浩一だ。勝率8割4分5厘。既に春夏3回ずつ、頂点を極めている。今夏も出場すれば、間違いなく優勝候補の筆頭だろう。2度目の春夏連覇がかかっている。

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