8月最終週の2日間、爽やかな風が吹く北海道で、「ワールドオールスタージョッキーズ2018」が開催されました。毎年、冬に行われていた「ワールドスーパージョッキーシリーズ」から名前を変え、舞台も札幌競馬場に移して今年が4回目。日本最大の馬産地である北海道の皆さんに喜んでいただけるイベントとして定着してきたことは、僕個人としても、騎手会長としてもうれしい限りです。

 大会前日に行われたウエルカムセレモニーでは、カメラマンのリクエストに応えて、大会の紅一点、ニュージーランド代表として初参戦するサマンサ・コレット騎手と並んで記念撮影に臨みましたが、なんと、その横には、「ワールドスーパージョッキーシリーズ」に出場していた元騎手で、現在は調教師をしているお父さんのジムがニコニコと笑っている姿がありました。ジムが騎手として参戦していたのは、確か……95年と97年で……歴史の重さを感じるととともに、なんだか、すごく不思議な感覚を味わっていました。

――今年の目標は? JRA代表7名、海外・地方からの招待騎手7名の計14名のジョッキーによるこの戦いには、対抗戦と個人戦の2つがありますが、僕を含め、みんなが狙っているのは、個人戦。15年はモレイラに、16年はミルコに優勝をさらわれ、2年続けて2位に終わった僕としては、「頑張ります」という公式コメントとは別に、――今年こそ! と気合いを入れ直して臨んだのは、言うまでもありません。

 個人戦の得点計算は、1着30点、2着20点、3着15点、4着12点、5着10点、6着8点、7着6点、8着4点、9着2点、10着以下1点。4つのレースで2回勝てば、ほぼ優勝確実です。初日の2レースを終えた段階では、1着、6着の僕が38点で首位。9着、1着のルメールが2位。「雰囲気を読まないのが2位につけたなぁ(笑)」と、ちょっとだけ嫌な予感に襲われましたが、こういうのって、そう思った時点で現実になることが多いんですよね。

 3戦目は僕が2着で合計58点。一方のルメールは、5着10点で、合計42点。このままいけば僕の優勝ですが、やっぱり、ルメールはルメールでした。最終の第4戦、11着で1点しか加算できなかった僕に対してルメールは1着。ゴール後、ガッツポーズをしているルメールを見て、「やられたなぁ」と苦笑いが浮かんできました。

■G3紫苑ステークスでマウレアに騎乗

 気持ちを切り替えて、今週の競馬です。JRA通算4000勝まで、いよいよカウントダウンにはいった今週、僕が騎乗する重賞レースは、9月8日、中山競馬場で行われるG3「紫苑ステークス」。パートナーは桜花賞、オークスともに5着だったマウレアです。ひと夏を越して、どれだけ成長しているのか? この後に続く、大きなレースに向けて手応えが感じられるようなレースにしたいと思っています。

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