小池百合子都知事
小池百合子都知事

 10月11日に開場した豊洲新市場――東京都の担当者は、「順調なスタートを切っている」と胸を張る。しかしながら、鮮魚を扱う水産棟では「換気が悪く、腐敗臭がきつい」などという声も出ている。「これは旧築地市場と違い、閉鎖型施設にした結果です。室温を25度に設定していますが、湿度が常に80%以上になる。カビがすごく発生するんです。鮮魚に付着し、消費者が食中毒になるリスクもある」(市場関係者)

 豊洲市場の問題に詳しい一級建築士の水谷和子氏によれば、消費者が被りうる健康被害の危険性は、はるかに深刻だという。「一番の懸念は、ヒ素、鉛、水銀などを含む汚染土壌が付着した水産物が消費者の口に入ることです」

 なぜ、そんなことが起こるのか。都の発表とは裏腹に、開場延期の原因となった、東京ガスの工場跡地ということで汚染されている土壌への対策が不十分だったようなのだ。「特に水産棟と青果棟を結ぶアンダーパス(地下道)付近の地下はヒ素濃度が高い。その汚染土壌や汚水が周りの壁から漏れ出し、そこを行き来する運搬車の車輪について市場内に拡散され、水産物が汚染される可能性があります」(前同)

 土壌汚染対策法では、即刻、立ち入り禁止にして検査すべき事態だが、恐ろしいことに、豊洲市場の事業者である小池百合子東京都知事率いる東京都は無視しているのが現状だ。さらに水谷氏は、水産卸・仲卸業務に必要な海水の汚染も指摘する。「塩分を含む海水は消毒の役目も果たし、活魚の生け簀や鮮魚の手当てに使われます。ところが遮断壁の長さが足りず、市場用地の汚染土壌や汚染水が海に漏れ出ている可能性がある。仲卸棟北側の護岸から濾過取水していますが、汚染されているのは間違いないでしょう。ただ、海水で薄まっている分、アンダーパス周辺の汚染よりはマシかもしれませんが」(同)

 その一方で、旧築地市場に約300か所あった「潮待ち茶屋」を廃止したことを懸念するのは、一級建築士の森山高至氏だ。「各仲卸から買いつけられた魚の荷物を一旦、配送先ごとに集約管理する場所が潮待ち茶屋。そこでは梱包が壊れていたら洗って梱包し直すなど、食中毒への対応が徹底されていました」

 ところが豊洲市場では、これを全廃。その仕事は駐車場の管理となってしまった。築地市場で長く茶屋番を務めた人も心配する。「衛生面上のチェック機能をリストラしたわけですからね。豊洲市場が全国にゴキブリまで配送することになるのも、時間の問題ですよ」(茶屋番だったAさん)

 以上のような健康被害の懸念は、豊洲市場で働く人も出入りする人も同様だ。「豊洲市場で使われる強力な真空ポンプで地下汚染水を汲み上げた後の沈殿槽には、シアン化合物も含まれる可能性もあります。そのときの濃度がどれくらいなのか、キチンと数値を発表しないと、近所の公園の利用も不安です」(前同)

 専門家が警鐘を鳴らす危険な実態。これでもアナタは、豊洲市場の魚を食べたいですか?

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