武豊「なんとか今年もG1を勝つために」

――ぜひ、ウチでもインタビューを。ＪＲＡ通算４０００勝を達成した後、新聞、雑誌など、あちこちから取材依頼のお話をいただきました。ふだんは面倒くさがりの僕ですが、それで、少しでも競馬が盛り上がるのなら……ということで、今回は、時間が取れる限り、お受けしようと決めたまでは良かったんですが。

「写真撮影はあるんでしたっけ？」「はい。できれば、スーツでお願いします」「他に、何か持っていくものはありますか？」「ありませんが、読者プレゼント用に色紙にサインをお願いします。４０００勝という文字も入れて」

…………。１つ、２つなら覚えていられますが、毎回、リクエストの違う取材が５つ、６つ、７つ……１０を超えると、もうダメです。撮影はないと思い込み、トレーニング後、ジャージで約束の場所に行ったら、カメラマンの方が準備万端整えて待っていて……慌てて家に着替えに帰った、なんてこともありました（苦笑）。

　そんな、慌ただしい日々も、ようやく一段落。今年の残り１か月半は、競馬のことだけを考えて、昨日より、今日。今日より明日、わずかでも成長した武豊でありたいと思っています。

――ということで。まず、なんとかしたい。しなきゃいけないのが、Ｇ１のタイトルです。今年は、ブラックムーンとのコンビで、京都金杯を制覇。最高のスタートを切りましたが、春のＧ１戦線は、ヴィクトリアマイルの２着が最高順位。秋は、スプリンターズＳ、秋華賞、菊花賞と３戦連続の３着。初めてＪＲＡで開催した１日３つのＧ１が行われたＪＢＣでも、マテラスカイで挑んだスプリントが２着……爪痕は残していますが、今一歩、大きな勲章に手の届かない、モヤモヤが続いています。

■今週末、ジャパンカップの前日は京都2歳ステークス！

　ジャパンカップの前日、２４日（土）は、Ｇ３京都２歳に騎乗。パートナーはワールドプレミアです。前走の新馬戦で本気になったのは一瞬だけ。それで勝つんですから、能力は相当なものです。

　来年のクラシックに向けて、ここが大きな試金石。あっさり勝つようなら……グンと楽しみが広がります。