映画『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督の波瀾万丈ワケあり人生!の画像
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 2018年の映画界でセンセーショナルな話題をふりまいた『カメラを止めるな!』。300万円の予算で製作された本作は、現在、興行収入30億円を突破し、その“ムーブメント”はさらなる広がりを見せている。12月5日から「ゲオTⅤ」での配信開始が決まった、上田慎一郎監督に今の心境を聞いた。

──製作費300万円で、興行収入30億円ということは…リターン率1000倍!?

上田 これくらいの予算で製作するインディーズ映画は、だいたい2~3週間の上映期間に、1館でレイトショー1回がほとんどです。ところが『カメ止め』は、最初からけっこうメディアに採り上げられて2館でスタートし、そのうち1館は1日3回上映と、異例の盛り上がりの中で公開されました。インディーズ映画ではハードルの高い「動員数5000人」を目標にしていたのですが、現在は300館上映&200万人動員と、もう想像をはるかに超えています。

 公開から2週間ほど過ぎた頃、街で「カメ止めTシャツ」を着ている人とすれ違ったんです。ほかにも、カフェでとなりにいたカップルが『カメ止め』の話で盛り上がっていたり、道路に映画の半券が落ちているのを見つけたりと、生活の中に『カメ止め』が侵入してきて、「これはエライことになってきた!」と思いました。

──前半がゾンビ映画、後半が映画の舞台裏という構成が抜群の面白さ!

上田 ゾンビ映画を題材にした理由の一つは、首や腕がちぎれたり、血がドバーッとかかったりというゾンビ映画にある仕掛けが、舞台裏を描くときの舞台装置として必要だったこと。もう一つは、ゾンビ映画を作っている人たちは、いつも現場でキャッキャしながら撮っているイメージがあって、僕も楽しくモノ作りをしたいと前から思っていまして(笑)。

 映画パートの37分間に及ぶワンカット撮影についてよく質問を受けますが、まず物語の骨組みとしてワンカット撮影が必要でした。あとは、「難しいことを、やってやろう」という僕自身の気持ち(笑)。編集で“ワンカット風”に仕上げることも可能なんですが、それはやりたくなかった。一方で、若いキャストとスタッフでワンカット撮影に臨むので、“ほころび”は必ず出てくるだろうと。逆に、その“ほころび”を映画に上手く取り込むことができれば、映画がより生き生きとしたものに仕上げられるという予感がありました。

──緻密な狙いと監督の予感が見事に結実したということですね。ところで監督は、20代の頃は型破りな人だったとか?

上田 エピソードはいくつもあります(笑)。まずは高校2年生のときに、友人2人と手造りのいかだに乗り、琵琶湖を横断しようとして遭難しました。琵琶湖は海に近いものがありますから、夜になると1メートル以上の波が押し寄せてくる。そのうち、いかだがまったく前に進まなくなり、しまいには壊れてしまって…。レスキューに電話すると、琵琶湖全域にパトカーが集まり、上空にはヘリが飛び、あげくの果てにNHKで行方不明と報道されました。マルチ商法のようなものに引っかかって200万円くらい借金したこともあります。極め付けは、小説を出そうとして再び200万円借金したことがきっかけで、代々木公園でのホームレス生活が始まったのですが、まったくお金がなくなり、喫茶店で大量にガムシロップをもらって虫のように吸って生き延びました(笑)。

 10代の頃から映画監督になりたい夢はあったのですが、今思うと、近道をしようとして、遠回りばかりしていました。一つのことに集中して結果が出なかったときに才能がないと気づくことが怖かったんだと思います。でも24歳のときに、映画監督だけをやろうと覚悟を決めて、そこからは週に5日バイトをしながら自主映画を作り続け、それが今につながっています。妻との出会いも大きかったと思います。昔の自分は、“暑苦しいポジティブ野郎”というイタい人間だったので、妻と出会ってバランスが取れる人間になれたかなと(笑)

──最後に、好きな女性のタイプは?

上田 いきなりですね(笑)。そうですね…ちょっとムッチリしている女性が好きです。『カメ止め』に出演いただいた秋山ゆずきさん(アイドル役)は、上半身は華奢なんですけど、下半身はけっこうムッチリしていて。映画で彼女が階段を駆け上がるシーンが何回かありますよね。後ろから撮影しているので、お尻がアップになり、男性ファンから好評なんですが(笑)、狙って撮ったわけではありませんよ。実は妻が、ムッチリ系でして。やっぱり“肉感”というのは、これからも自分の中で大切にしていきたいと思います(笑)。

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https://youtu.be/V6e7fIqBamw

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