3日間競馬の最終日となった1月14日。今年も全国各地で新成人をお祝いする式典が行われました。その数125万人。オグリキャップがラストランを飾った有馬記念の中山競馬場レコードが17万7779人。アイネスフウジンが日本ダービーを制した東京競馬場のレコードが19万6517人ですから、年々減少傾向にあるとはいえ、すごい数字です。

 20歳になると馬券の購入も認められるんですから、スタンドを開放して、新成人で埋め尽くす……というイベントも面白いと思うんですが、いかがでしょう。

 今年、成人式に臨んだのは98年4月2日から99年4月1日に生まれた人です。振り返ると、この年は僕にとっても思い出深いことがたくさんあった一年でした。デビュー12年目。欲しくて、欲しくてたまらなかった“ダービージョッキー”の勲章を手にしたのが、この年です。シーキングザパールで、フランスのモーリス・ド・ゲスト賞を勝ち、日本馬初の海外国際G1制覇を成し遂げたのも、サイレンススズカが夢の途中で去ったのも、この年でした。

 禍福は糾える縄の如し。耐えなければいけないときは、じっと耐えることも必要だし、そうすることでまた新たな道が開けます。

 JRAのジョッキーで今年、新成人となったのは、デビュー3年目の木幡育也騎手、横山武騎手、デビュー2年目の服部寿希騎手の3人。先輩騎手に遠慮することなく、自分が信じた道を、どこまでも真っすぐに突き進んでいってください。

 僕が新成人になったのは……もう、ずいぶん昔になってしまいましたが、それでも、馬とレースのセットで、よく覚えています。デビュー3年目。伝説の出遅れといわれたシャダイカグラの桜花賞をはじめ、天皇賞(春)と宝塚記念を制したイナリワンの激走。天皇賞(秋)を勝ったスーパークリークの揺るぎない強さ。アメリカのアーリントン競馬場で挙げた記念すべき海外初勝利も、昨日のことのように思い出すことができます。そうそう、オグリキャップが強烈なライバルとして中央競馬に登場したのも、この年でした。

 あれから30年。長かったような気もするし、あっという間だったような感じもしますが、競馬に対する思いは、あの頃と少しも変わっていません。

――やるべきことを、一つ一つ、きちんとやる。毎年、毎月、毎週、毎日……それの繰り返し。昨日より今日、今日より明日、少しでもうまくなりたくて、日々、もがき、あがいています。

 今年は、平成最後となる節目の年。いつでも、どんなときでも、武豊らしくあることを心に留め、今週もまた新たな気持ちでレースに臨みたいと思います。

 パートナーは、1月27日、東京競馬場で行われるG3根岸Sがマテラスカイ。

 新成人の皆さん、ぜひ、競馬場にも来てください。

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