安倍晋三首相
安倍晋三首相

「相互に受け入れ可能な解決策を目指す」

 モスクワでの日露首脳会談後の共同記者会見で、安倍晋三首相とプーチン大統領は、こう口をそろえた。日本国民悲願の北方領土返還に向け、大きな進展が期待された今回の首脳会談だったが、成果としては“可もなく不可もない”というのが正直なところ。

「日露両政府は、1956年の日ソ共同宣言に立ち返り、平和条約締結後の歯舞群島、色丹島の2島を日本に返還する方向で交渉を進めています。ただ、プーチン大統領は“共同宣言には返還後の2島の主権がどうなるかまでは、記載されていない”と詭弁を用いて日本を牽制しています。また、共同経済活動などの分野で大きく譲歩を強いられることになる可能性もあります。結果として、“平和条約締結にこぎつけたのに、期待する成果が得られなかった……”なんて事態も考えられます。まだまだ予断を許しませんよ」(自民党関係者)

 とはいえ、安倍政権下で長らく停滞していた日露交渉が、再び動き始めたことは確かだ。「プーチン大統領は“養殖、温室栽培、風力発電、観光、ゴミ処理の5分野の実施に向けて努力を続けることで合意した”としており、平和条約締結に先立ち、経済協力が加速するはずです。日本はこれをきっかけに、北方領土近海での漁業権を確立したいですね。北方領土近海は、サケ、マス、タラバガニ、タラ、昆布といった海産物の宝庫で、“世界二大漁場”の一つにも数えられるほど。現在は、日露漁業協定に基づき、日本漁船が操業していますが、今後は日本側も自由に操業できるようになるはずです。さらに北海道のお寿司のネタは豊富になるでしょうね」(全国紙経済部記者)

 ロシアに太いパイプを持つ鈴木宗男氏(新党大地代表)が逮捕された際、「サケやカニの水揚げが激減した」と報じられたことも。「北方領土で操業したい北海道の漁業関係者をはじめ、北海道の人々は誰よりも日露交渉の進展を気にかけています。両政府が掲げた観光交流も、今後加速するはずですから、ロシア人観光客が北海道に殺到する可能性もありますね。ススキノに“ロシア人向けのバー”ができたり、コンサドーレ札幌が本田圭佑も所属していたCSKAモスクワと交流試合をするなんてことが、あるかもしれませんね」(地元紙記者)

 次なるトップ交渉の場は、6月のG20サミット。ここで大きな進展があるか!?

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