降雪のため土曜の東京開催が月曜日に順延となった2月2週の競馬。土曜日は小倉、日曜日に東京競馬場で騎乗した僕は、2週連続で5勝を挙げ、久々にリーディングのトップに返り咲くことができました。JRAのホームページに掲載されている2019年度リーディングジョッキーを見ると、1位武豊21勝、2位C.ルメール17勝、3位福永祐一17勝。この時期のトップにそれほど大きな意味はありませんが、うれしいか、うれしくないかと聞かれたら、それはやっぱりうれしいです。テレビやスポーツ紙では、「すごいですねぇ」という言葉から、「いや、いや、これが本当の武豊です!」という言葉まで、さまざまなありがたい言葉をいただきました。

 こうなると次に話題が向くのは、何が変わったのか!? ということになります。考え方? 騎乗技術? それとも、必勝法を編み出した? どれも、いかにもありそうですが、僕自身はほとんど変わっていません。一つ一つ積み上げてきたものに、さらに磨きをかけ、昨日より今日、今日より明日、少しでもうまい騎手になりたい――思い続けていることは、これ一つです。

 強いて挙げるとすれば、いい馬に恵まれたということでしょうか。調教師の先生、オーナー、牧場や厩舎関係者の皆さん、そして変わらず応援し続けてくれるファン……僕の背中を押してくれたすべての方に、改めて感謝です。

■キタサンブラックの仔どもたちが誕生!

 今週は、うれしい報告がもう一つあります。昨年種牡馬となったキタサンブラックの仔どもたちが誕生したニュースが、次々に飛び込んで来ました。

 初仔は、フランスで生まれたリアリサトリスとの間に生まれた鹿毛の牡馬で、額にはお父さん譲りの流星があるとのこと。1月31日には、秋華賞、宝塚記念、エリザベス女王杯の3つのG1を制したスイープトウショウとの間に、鹿毛の牝馬が生まれました。出生時の体重は72キロ。平均は40〜50キロとのことなので、お父さんに似てビッグサイズです。

 この仔たちがデビューするのは、早ければ2年後の6月……あっという間です。引退したと思ったら、もう、その仔がデビュー? 競馬に詳しくない方は驚かれるかもしれませんが、これが競馬の魅力であり、楽しさです。そのときに、ぜひ、武豊に! そう言っていただけるような騎手であり続けることが、今の僕の目標であり、モチベーションの一つになっています。

 勝つことよりも負けることのほうが、はるかに多いのが競馬ですが、一つ一つの結果に、浮かれることなく、腐ることなく、結果を冷静に受け止め、反省すべきところは反省し、改めるところは素直に改めて、今週も馬の力を120%引き出せるような騎乗を心がけます。

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