先週、勇退される先生方のことを書きましたが、去る人がいれば、来る人あり。年度替わりとなる3月の第1週、後輩となる新人騎手8名が、最初の一歩を踏み出しました。あいうえお順に、かわいい後輩を紹介しましょう。

 最初は、栗東・藤原英昭厩舎の岩田望来(いわた・みらい)騎手。ん!? 岩田? そうです。望来騎手は、岩田康誠騎手の次男です。僕自身そうでしたが、いつか、岩田騎手の次男ではなく、父を望来のお父さんと呼ばせたい……そう思っていそうな、気概のある顔をしています。

 2人目が、美浦・木村哲也厩舎の大塚海渡(おおつか・かいと)騎手。3人目が、栗東・北出成人厩舎の亀田温心(かめだ・はーと)騎手。競馬界一のキラキラネームです。

 4人目が美浦・小西一男厩舎の小林凌大(こばやし・りょうた)騎手。お父さんの淳一さんは、元騎手で現在は競馬学校の教官です。そして5人目が、3日の小倉3Rを勝ち、同期の新人で一番乗りを果たした栗東・安田隆行厩舎に所属する齋藤新(さいとう・あらた)騎手です。お父さんの齋藤誠先生は美浦ですが、一緒だと甘えているように見られる……という理由で、あえて栗東に来たというあたり、気骨がありそうです。

 6人目は、美浦・高木登厩舎の菅原明朋(すがわら・あきら)騎手。7人目の團野大成(だんの・たいせい)騎手は、栗東・齋藤崇志厩舎所属です。

 個人の力や技術で勝負できる野球やサッカーなどと違って、ジョッキーというのは、デビューして、いきなり勝ちまくれる世界ではありません。周りに信頼され、騎乗依頼をいただき、そこで結果を出すことで初めて次につながる――その繰り返しですから、いい馬に乗せていただけるようになるには時間がかかります。自分を信じて、焦らず、一つ一つ、目の前のレースを大事にしていってください。

 あれっ!? 最初に8人と書いていたけど、紹介したのはまだ7人ですが。はい、分かっています。今、紹介したのは競馬学校を卒業した7人。最後の一人、藤井勘一郎騎手は15歳のときに豪州でデビューし、以来、計13か国の競馬場を渡り歩いてきたという35歳のオールドルーキー。言ってみれば、経験も技術もある“逆輸入”のジョッキーです。

■今週はG1皐月賞へのトライアルレース

 僕も負けてはいられません。今週末、3月16日は阪神、17日は中山で騎乗。16日はワールドプレミアで3歳オープンの若葉Sに。17日はファンタジストをパートナーに、G2スプリングSに挑みます。2レースとも、クラシック緒戦、皐月賞へのトライアルレースで、馬にとっても、僕にとっても、今後を占う重要なレースです。

 目指すは、新時代最初のダービージョッキー。50歳になっても、競馬への想いは変わらないし、やるべきことは一つです。

あわせて読む:
・パチンコ&パチスロ「ネットのクチコミサイト」が使えるワケ【ギャンブルライター浜田正則コラム】