西島秀俊
西島秀俊

 よしながふみ氏による人気コミックを原作とした、ゲイカップルの日常を描いたドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)が4月5日からいよいよ放送開始となった。同作の主人公を演じるのは俳優の西島秀俊(48)と内野聖陽(50)の2人。原作のビジュアル再現度が、放送前から中心に話題を集めていたが、実際放送された第1話もそのままの“ほんわかさ”で、ファンを大いに喜ばせたようだ。

 シロさんこと筧史朗(西島)は法律事務所で働く雇われ弁護士。性格は非常に几帳面で倹約家。毎日定時で帰っては、食費を1か月2万5000円に収めるべく、激安商品を求めてスーパーをハシゴ。手際よく、そして味のバランスも整えられた完璧な夕食を作り、彼氏で同居人の美容師・ケンジ(内野)とともににこやかに食卓を囲む。

 多少の言い合いもありつつ、基本は仲むつまじい2人。だが、シロさんは職場からも他人からもゲイだとバレたくないタイプなのに対し、ケンジは完全オープンタイプ。ケンジは「店長が奥さんや娘のことを話すみたいに」とシロさんのことを客にまで話してしまい、そのことで大喧嘩になってしまうのだった。

 原作者自ら「実写なんだし、何もこんなに似せなくても……」とコメントを寄せるほど、原作に忠実に再現された今回のキャスト。だが、本編が放映されてすぐに、細かいところまでが忠実に再現されていてどぎもを抜かれた。

 この作品の肝となる主人公シロさんの料理シーンでは、包丁の種類さえ原作で使われているものを徹底して使用。調理しながら料理法を説明していくさまも作中と同様なため、没入感がすごい。

 OPのシーンは、料理中のシロさんを邪魔するようにケンジがスマホで自撮りをするというもの。録画しながらじゃれあいたいケンジと、それを邪険にしながらも口元をゆるませているシロさんの姿は、自然な男性二人の同居風景を覗いている感覚に持っていかれる。

 原作にはないこのシーンだが、その空気感もむしろ原作イメージそのまま。原作を知らずとも、このOPで二人の関係性を見せてくれるため、単行本未読の視聴者も、この世界観を理解し、本編の内容にすんなり溶け込めたのではないだろうか。

 ほのぼのBLと思いきや、セリフのはしばしにゲイ男性の悩みや世間とのつきあい方の問題が描かれ、シビアなシーンも頻出する今回の作品。だが原作通り、見た後にほんわかした気分を与えてくれるのは、やはり西島と内野の演技のかわいさあってこそだろう。放送中からネットでも「菜の花のおひたしを食べて“春が来た〜”って言うケンジ43歳。かわいすぎる」「アイス一緒に食べようと冷凍庫から出したのに、シロさんが深刻な電話しててそっと冷凍庫にしまうケンジのしぐさにキュンとする」と、ふたりのやり取りにみせられた人が多く、ツイッターでも世界トレンド1位になるほどの話題となった。

 最近は同性愛を描くドラマが増えてきたが、今回も話題性だけでなく、実力派俳優と制作陣の熱を感じられる。今後毎週金曜深夜に飯テロと、かわいいゲイカップルのラブテロを楽しめると思うと感謝しかない! 私は今夜の回の予習に、原作を読み込んでおこうと思う。

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