安倍晋三首相
安倍晋三首相

「(北朝鮮の)金正恩委員長と、条件をつけずに向き合わなければならない」

 5月6日夜、記者団にこう述べた安倍晋三首相。

「会見前には、トランプ米大統領との電話協議を実施。これまでは日本人拉致問題の進展を日朝会談開催の前提としていましたが、北朝鮮との対話を進める米国と歩調を合わせることを、トランプ米大統領に伝えました」(全国紙政治部記者)

 また、韓国の有力紙『中央日報』は、菅義偉官房長官が5月9日からの訪米で、北朝鮮側の高官と接触する可能性を報じている。

「拉致問題担当相を兼務する菅氏の訪米は、米国の仲介による日朝首脳会談の事前協議のためという見方もあります。早くも、トランプ訪日とG20大阪サミットの間の、6月初めでの日朝首脳会談が有力との話も出ています」(前同)

 こうした日朝外交の新展開について、02年に帰国した蓮池薫氏の実兄で「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元事務局長の蓮池透氏は、こう語る。「日朝会談はマスコミが言っているだけで、半信半疑です。ただ、今さらながらですが、行くならぜひ行って1人でも2人でも連れ戻してもらいたいです」

 一方でこんな不安も吐露。

「02年の小泉首相電撃訪朝の際は前日まで極秘でした。当時のように事前に水面化で綿密な打ち合わせをしているかは不明ですが、(今回は)7月参院選を控えてのパフォーマンスのような気もします」(前同)

 さらに、こうクギを刺す。

「菅さんは“無条件”とは“従来発言を明確化しただけ”と言いますが、転換、それも180度の大転換。家族会は政府と一体化し、この5月の訪米時も“被害者の全員一括即時帰国が実現しない限り、非核化交渉で経済支援を約束すべきでない”と訴えています。当然、無条件の会談は受け入れない。無視して会談しても、めぼしい成果がなければ、安倍支持派も含め逆効果になると思います」(同)

 5月4日と9日に“飛翔体”を発射したばかりの北朝鮮。タフな交渉になりそうだが、「日朝会談が実現すれば、北は拉致被害者解放の見返りと過去の清算として、経済援助を求めるのは必至。ただ拉致被害者数名を解放しただけで、北朝鮮側がこれで“完全解決”と主張し、拉致問題をウヤムヤに幕引きするおそれも。参院選を控え、功を焦る安倍首相が安易な選択をしないとも言えません」(前出の記者)

 妙なスタンドプレーだけは避けてほしいが。

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