10日間という長い休みになった今年のGW。平成最後の競馬を香港のシャティン競馬場で、令和最初の競馬をフランスのサンクルー競馬場で迎えた僕は、心身ともにリフレッシュ。春のG1シリーズ後半戦に向けて、虎視眈々と(笑)主役の座を狙っています。

 令和初のG1レースとなったNHKマイルCは、ミルコ・デムーロとアドマイヤマーズに持っていかれましたが、まだまだ、勝負はこれから。オークス、日本ダービー、安田記念、宝塚記念と4つのG1が待っています。思うようにいかないのが競馬の難しさであり、面白さでもありますが、気持ちは4つ全部。最低でも1つは勝って、フェブラリーステークスに続く今年2つ目のビッグタイトルを、この手にしたいと思っています。

■牝馬クラシックG1オークスで一発!

 さぁ、そして今週末、5月19日は、その1つ、東京競馬場を舞台に牝馬三冠の2戦目、優駿牝馬、オークスが開催されます。僕が初めて、このオークスを勝ったのは、93年のベガでした。この勝利を皮切りにダンスパートナー(95年)、エアグルーヴ(96年)と祝杯を上げること3度。いずれも歴史にその名前を残した名牝ばかりです。

 しかし、ある意味、この3頭のこと以上に思い出す馬がいます。彼女の名前は、シャダイカグラ。そうです。伝説と呼ばれる出遅れから、平成最初のG1桜花賞を鮮やかに勝ったあの名牝です。24頭立て。単枠指定で3枠7番に入ったシャダイカグラは、ポンとスタートを切ると、よどみのない流れに乗って道中7番手をキープ。最後の直線で満を持してスパートをしました。

 勝てる――。ゴール手前ではそう思ったし、実際、ほぼ勝利を掌中にしていました。そこにかっ飛んできたのが10番人気のライトカラーです。気を抜いていたわけでも、油断していたわけでもありません。でも、しかし……。最後の最後でクビ差競り負け、大きな勲章を取り逃がしてしまいました。競馬は何が起こるか分からない――。痛いほど思い知らされた瞬間でした。

 あれから30年。時代は平成から令和に変わりましたが、あのときの悔しさは今でも僕の中に、教訓とともに残っています。

 今年、このオークスで僕のパートナーを務めてくれるのは、シェーングランツです。昨年10月に行われたG3アルテミスSを勝って重賞馬の仲間入り。その後、阪神ジュベナイルFが4着、チューリップ賞5着、桜花賞9着と成績は下降気味ですが、一発の力を秘めた馬です。

 速い時計で決着したマイルの桜花賞より、距離が長くなるオークス向き――。それは平成の名伯楽、藤沢和雄先生とも一致した思いです。桜花賞馬グランアレグリアがいない今回、どこまでやれるのか。出走するすべての馬にチャンスがある今年のオークスは、騎手にとっても、やりがいのあるレースになりそうです。

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