ジメジメした梅雨寒から一転、酷暑となった8月の第1週、亡くなったディープインパクトのために、全国の競馬場に献花台と記帳台を設置。さらに、土曜、日曜の札幌、新潟、小倉のメインレース6つが“ディープインパクト追悼競走”として実施されました。

 このうち、僕が参戦したのは両日とも小倉で、土曜日が3歳以上2勝クラスの九州スポーツ杯(14着)、日曜日がG3小倉記念(11着)。パートナーはそれぞれ、ダノンロイヤル、アイスストームと、ディープ産駒ではなかったんですが、追悼競走と名づけられた以上、勝って、ウイニングランの馬上から、改めてディープに感謝の気持ちを伝えたかった、というのが正直な気持ちです。

 それにしても……土、日の小倉は暑かった。個人的に、暑いのはそれほど気になりませんが、さすがに35度近くまで上がると、馬の熱中症が心配になります。

――えっ!?  馬も熱中症になるの? もちろんです。馬だって熱中症にかかるし、ここ数年の気候の変化に伴い、年々、その数は増えているそうです。レース前なのに、ボーッとしている。汗の量がいつもより多い。突然、息が荒くなり、落ち着きがなくなる……こんな症状が出たら要注意。最悪の場合、レース後、倒れてしまう馬もいます。

 当然、JRAでも対策は行っています。福島競馬場に馬用のミストができたのが10年ほど前。そこから徐々に広がり、今では、各競馬場の装鞍所やパドック、コースの待避所に設置され、僕ら騎手もその恩恵にあずかっています。

 さらに今年、福島競馬場にさらなる新兵器として、検量室前から厩舎に向かう通り道に、馬用の簡易シャワーが設置されました。

――なんだ、これは? 最初はうさんくさそうな目で見ていた馬たちも、その気持ち良さにまんざらでもないといった表情を浮かべているそうです。

 今のところ、この簡易シャワーは福島競馬場だけですが、ミスト同様、全10場すべてに拡がっていくのではないでしょうか。これで万全というのはありませんが、少しでも馬にとって、いい環境でレースができますように……それがすべてのホースマンの思いです。

 お盆明け、8月24〜25日は、札幌競馬場で行われる2019ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)に参戦します。出場する騎手は、JRAから戸崎圭太、三浦皇成、浜中俊、C・ルメール、川田将雅、藤田菜七子と僕の7名。地方競馬から吉村智洋と大先輩の的場文男さん。ニュージーランドからリサ・オールプレス、アメリカからジュリアン・ルパルー、フランスからミカエル・ミシェル、アイルランドからコルム・オドノヒュー、香港からカリス・ティターンの計14名で、チームによる対抗戦と個人戦が行われます。

 日本最大の馬産地・北海道を舞台に行われる、世界を代表するジョッキーたちの戦いに注目してください。

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