秋を感じさせる北海道で行われた今年のワールドオールスタージョッキーズは、例年とはまたちょっと違う、華やかで、バラエティに富んだ大会になりました。

 札幌市内のホテルで行われた前日のウェルカムセレモニーで注目を集めていたのは、女性騎手の3人。日本でもおなじみのリサ・オールプレス騎手。スウェーデンのウィメンジョッキーズワールドカップで優勝、シャーガーカップにも出場した藤田菜七子騎手。マスコミがこぞって“美しすぎる騎手”と書き立てた、フランスのミカエル・ミシェル騎手です。彼女が、「好きなジョッキーは?」というマスコミの質問に、「ユタカ・タケ」と答えてくれたのは、社交辞令のようなものですが、男性、女性を問わず、後輩の口から名前が挙がるのは、くすぐったいと同時に誇らしい気持ちにもなります。

 華やかさを担当したのがこの3人なら、バラエティ部門を担当したのは、最多勝を更新し続ける大先輩、的場文男騎手と、この僕でした。62歳と50歳の2人にふさわしく(?)、写真撮影は屋台の前。ここ数年僕が最年長でしたが、62歳の的場先輩の前では、まだまだひよっこ。気持ち的には、久しぶりにヤングジッキーに戻ったような感じでした(笑)。

 1日目(2レース)を終えてトップに立ったのは戸崎圭太騎手です。ところが、3戦目にミシェル騎手が日本での初勝利を挙げ、一気に先頭に躍り出ると、1点差で香港のカリス・ティータン騎手、さらにC・ルメール騎手、川田将雅騎手と続き、最終戦の結果によっては、初日トップの戸崎圭太騎手と、この僕にも優勝のチャンスは残されていました。そして――最後、表彰台の真ん中で、ビールかけをされながら、ガッツポーズで記念写真に収まったのは、大逆転で主役の座に輝いた川田将雅騎手でした。おめでとう!

 来年もまた、この大会が開かれ、再び選んでいただけるように、僕自身、これからも目の前の一レース、一レースに集中していきたいと思います。

 ここで、いつもなら「それでは今週の騎乗馬についてお話します」と言葉を並べるところですが、今日は違います。騎乗馬は騎乗馬ですが、今週のではなく、凱旋門賞の騎乗馬です。ビッグオファーをいただいたのは、アイルランドを代表する、あのエイダン・オブライエン厩舎の管理馬、ブルーム。オブライエン厩舎の馬に騎乗するのは、日本人騎手としては今回が初めてで、しかも、それが凱旋門賞ですから、興奮するなというのが無理な注文です。ワクワクするとか、ドキドキしていますというレベルの話ではありません。ルメールも、ミルコも、伝えた瞬間、目を真ん丸にするくらいインパクトのあるオファーでした。詳しいことはまた改めてお伝えしますので、第2弾、第3弾のニュースを、どうか、楽しみにしていてください。

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