寒さが体にこたえるようになった霜月、11月。スタートは、アメリカ西海岸、サンタアニタパーク競馬場で行われたブリーダーズカップ・ワールド・チャンピオンシップへの参戦でした。日本では海外競馬発売がされなかったため、大きく扱われなかったようですが、13のG1レースが行われた2日間は、文字通り、アメリカ競馬の祭典。世界中のトップホース、トップジョッキーが集まり、華やかなムードに包まれました。結果は、ブリーダーズカップ(BC)ジュベナイルに出走したフルフラットが5着、BCスプリントのマテラスカイが8着と、最高の結果は出せませんでしたが、次の一歩に向けて、確かな手応えを感じることができた遠征になりました。
19年前、アメリカに本拠地を移したときに家を借りたのが、このサンタアニタパーク競馬場から車で10分ほどの距離にある、パサディナという街。今回、その家を見に行くことができたのも、いいリフレッシュになりました。
帰国直後は日本のブリーダーズカップ(JBC)に参戦。ヤマニンアンプリメとのコンビでJBCレディスクラシックを勝ち、JBC3競走を完全制覇。同時に地方競馬の交流G1をコンプリートでき、師走に向けて「いい流れになってきたぞ!」と、喜んでいます。
前回でお伝えした、世界No.1ジョッキー、フランキーこと、L・デットーリの来日が延期になったのは残念ですが、急遽、彼の代打で騎乗した3番人気のレッドベルジュールで、デイリー杯2歳Sを完勝。ますます、流れが向いてきたような気がしています。
■今週はG1ジャパンカップ!
今週も、このいい流れに乗って、最高の結果を出すために、まずはパートナーを紹介しましょう。今週末、11月23、24日に行われる重賞競走は3つ。23日は京都競馬場を舞台にG3京都2歳S。24日は、東京競馬場でG1ジャパンCが、京都競馬場ではG3京阪杯が行われます。このうち、僕が参戦するのは、京都2歳SとジャパンC。パートナーはそれぞれ、マイラプソディとマカヒキの予定です。
前走、天皇賞(秋)に出走し、10着に終わったマカヒキに関しては、彼本来の力からすれば、“こんなものじゃない!”というのが、正直なところ。状態は確実によくなっているだけに、歯がゆいです。どう乗ったら、彼の良さをすべて引き出せるのか!? ゼロから考え直して、レース当日を迎えたいと思います。
もう一方のマイラプソディは、前走、2歳オープンの野路菊Sを5馬身差で圧勝したように、現時点ではクラシックの有力候補生。それだけに、このレースが大きな試金石になります。スタートの反応がイマイチですが、道中の走り、GOサインを出したときの反応、最後までしっかりと伸びきる脚は、注文をつけるところがありません。さらに、一段ギアアップできれば、今見えている光が、さらに輝きを増しそうです。
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