春のダート王決定戦、フェブラリーSに続く、春秋連覇を目指したチャンピオンズCは、あと一歩粘れず3着に終わりましたが、インティらしい競馬はできたと思います。2枠4番から、狙い通りに逃げ、道中の折り合いもバッチリ。レース後、野中賢二先生が、「普通なら勝ち時計なんだけどね」と言っていたように、時計も勝った東海Sの1分49秒8を1秒1上回るタイムで走ったんですから、文句のつけようがありません。

 勝てなかった悔しさはありますが、今回は、上位2頭、クリソベリル、ゴールドドリームが強かったということです。とりわけ、デビューから6連勝で頂点に立った3歳馬のクリソベリルの強さは、来年のことを考えると、ちょっと頭が痛くなるほどです。

――どう乗ったら、あの馬に勝つことができるのか? 復権を目指して、また、一からやり直しですね。

 とはいえ、土曜阪神、日曜中京で騎乗した、この2日間で挙げた白星は5つ。おなじみのルメール、デムーロに、デットーリ、スミヨン、マーフィー、ムーアと、世界のトップジョッキーが日本に集結した中で5勝できたことは“あと10年は現役を続けたい”と思う僕にとって、自信となる2日間になりました。

 今年のJRA通算勝ち星は、106勝。これは、大先輩である、岡部幸雄さんの50代での勝利数103勝を上回る数字とのことで、また一つ、記録を塗り替えることができました。まったく意識していませんでしたが、いざ、達成してみるとうれしいものです。改めて、たくさんのいい馬に乗せていただいていることに感謝です。このいい流れに乗って、今週の騎乗馬です。

 今週のメインレースは、15日阪神競馬場を舞台に行われる2歳王者決定戦、G1朝日杯FS。僕のパートナーを務めてくれるのは、ここまで3戦2勝、京王杯2歳Sをレコードタイムで勝ったタイセイビジョンに決まりました。JRAのG1制覇コンプリートまで、あと2つ。2着が4度と、なぜか縁のなかったレースですが“今度こそ!”です。

 ここを勝って、最後の一つ、令和元年最後のG1ホープフルSへ。気持ちは早くも昂っています。

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