JRAから、新規調教師免許試験の合格者8名が発表されました。美浦からは、大和田成厩舎の伊坂重信さん、堀井雅弘厩舎の鈴木慎太郎さん、戸田博文厩舎の辻哲英さんの3名。栗東からは、上村洋行厩舎の杉山佳明さん、西園正都厩舎の田中克典さん、池添兼雄厩舎の茶木太樹さん、角居勝彦厩舎の辻野泰之さん、そして、もう一人、後輩の四位洋文騎手を加えた5名です。皆さん、本当におめでとうございます。

 中でも、四位騎手に関しては、騎乗や調教の傍ら、熱心に勉強する姿を見ていたので、自分のことのようにうれしさが込み上げてきました。これまでは、ライバルでしたが、来年からは“先生”になるわけです。きっと彼なら、いい調教師になると思うし、僕にも声をかけてくれるはずです。四位先生、騎乗依頼をお待ちしています!

 そのためには、50代の武豊も、まだまだやれるというところを見せなければいけません。その格好の舞台となるのが、今週末に行われる有馬記念です。振り返ると、この有馬記念には、たくさんの強烈な思い出があります。

 乗っていた僕が、そのすごさに感動したオグリキャップのラストラン。それまでの不調は、最後を鮮やかに飾るため、オグリ自身が筋書きを作ったのでは? と疑いたくなるほどの奇跡の復活劇でした。

 そして2度目の戴冠が、ディープインパクトのラストランです。前年の有馬記念で、国内唯一の黒星を喫し、凱旋門賞では、今も悔いだけが残っている走りしかできず……。このレースに賭ける気持ちは、この年に出走した、どの騎手よりも強いという自負がありました。ディープに乗るのは、これが最後。勝たなきゃいけないという気持ちと寂しさが相半ばしたレースでした。

 3度目、キタサンブラックとともに挙げた勝利は、昨日のことのように覚えています。何度も、北島三郎さんの『まつり』をすぐ横で聴かせていただきましたが、あのとき聴いた歌は、生涯最高でした。

■今年の有馬記念は、菊花賞馬ワールドプレミアで!

 22日、中山競馬場で行われる有馬記念。パートナーは、ワールドプレミアです。強い競馬で牡馬三冠、最後の一つ、菊花賞を勝った3歳馬のワールドプレミアにとって、古馬との対決になるこのレースは、未知の世界。とはいえ、菊花賞の競馬ができれば、大きな勲章も手の届くところにあります。枠順や馬場状態は、どうなのか。競馬ファンの皆さんと同じように、僕もワクワクした気持ちで、当日を迎えたいと思います。

 発走は、12月22日15時25分。最後のお祭りを楽しんでください!

あわせて読む:
・パチンコ氷河期の12月でも勝てる台【ギャンブルライター・浜田正則コラム】