「長生きの風呂」「死ぬ風呂」本当に極楽へ行かないように要注意!の画像
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 最近は「冬もシャワーだけ」という人が増えているが、「湯船につかる入浴」には、驚くべき健康効果があるのをご存じだろうか。「温かいお湯に入ることで末端の血管まで血液が行き渡り、冷えによる体の不調を防げるんです。体全体が温まるので免疫力も高まり、病気予防にもなります。湯船では体に微妙な水圧と浮力がかかるので、この水圧で手足のむくみが解消され、浮力で筋肉や関節の緊張もほぐれる。温かい湯船で首や肩を軽く動かせば、格好のストレッチにもなる。一石二鳥どころじゃないですね」(都内の医師)

 さらに、湯船入浴は毛穴に詰まった汚れや皮脂が取れ、シャワーより清潔さが保たれ加齢臭対策にもなる。温泉入浴指導員などの資格を持ち、“お風呂の専門家”として活動する松永武氏は「湯船に入って、ゆったりする一人の時間を持つことでストレスも解消され、自然な睡眠を誘う効果がある」と解説する。

「自然な眠りは体温が少し下がるときに訪れます。お風呂で体を温めてベッドに入ると、まさにこの状態になるんですね。毎日、湯船に入ることで、3年後に要介護になるリスクを29%下げるという調査研究もあるんですが、これは湯船入浴で血流アップやストレスの軽減、あるいは、よい睡眠を得られることも大きいのだと思います」(前同)

 湯船入浴はいいことだらけ――と言いたいところだが、実は中高齢者の冬のお風呂には、死に直結する危険も潜んでいる。「厚労省の人口動態統計などによると、2018年に自宅浴槽で溺死した高齢者が5300人もいて、交通事故死者数より多いんです。これに入浴中や入浴直後に心臓麻痺や脳卒中で亡くなった人を加えると、年間1万9000人がお風呂関係で亡くなっているといわれます。溺死や突然死は12月から2月までの冬場に集中しているので要注意です」(医療ジャーナリスト)

 溺死や突然死の原因は、風呂場と脱衣場の温度差で血圧が乱降下することで起こる“ヒートショック”や長湯や熱湯による“浴室熱中症”で意識がもうろうとするためといわれている。前出の松永氏は、次のようにアドバイスする。「ヒートショックを防ぐには、入浴前に脱衣所や浴室を十分に温めておくこと。浴室熱中症予防には入浴の前後、入浴中に水を飲んで水分を補給することが大切です。転倒防止のために、浴槽用滑り止めマットを利用する手もあります」

 お風呂の温度は41度以下にして、湯につかる時間は10分が目安。「中高年世代は入浴の技術を身につけ、健康で安全なバスタイムを楽しんでください」(前同)

 いい湯につかって極楽気分のはずが、本当に極楽に行かないように要注意!

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