『週刊大衆』読者の皆さん、明けまして、おめでとうございます。50歳の大台に乗った昨年は、4年ぶりにJRA100勝を達成。凱旋門賞をはじめ海外競馬にも数多く参戦し、毎年、1つは取りたいと思っているG1の勲章も2つ手にすることができました。

 満足?  いえ、夢はまだまだたくさんあります。50代での日本ダービー制覇、天皇賞もジャパンCも有馬記念も勝ちたい。ずっと思い続けている凱旋門賞での初戴冠も、今年こそは!  と狙っています。

――それはちょっと欲張りすぎだろう。そんな声が聞こえてきそうですが、勝ちたいという欲は、薄れるどころか、年を重ねるたびに強くなっています。そのためにも、まずは健康第一。野球、サッカー、ラグビーなどと違い、シーズンオフのない競馬は、体力づくりが難しい競技ですが、体のケアと、オンとオフの切り替えをうまく使い分け、一年間ケガなく過ごすことが大事。それが最大の課題であり、目標です。

 加えて今年の夏は、世界最大のスポーツの祭典、東京2020オリンピックと同パラリンピックが開催されます。両大会の種目に競馬はありませんが、3月26日、福島県のサッカー施設『Jビレッジ』からスタートする聖火リレーのランナーの一人として、僕も参加させていただけることに。僕が走るのは、栗東トレセンのある滋賀県。しかも、ダービーウィークとなる5月28日です。

――走るのは馬じゃなくて武豊? そうです。サラブレッドほど速く走る自信はありませんが、当日は、ホースマンの代表として、オリンピック、パラリンピックの成功を願いながら走りたいと思っています。

 JRAも両大会に全面協力しており、馬術競技に馬運車と獣医師を供出するため、今年の競馬は開催スケジュールも変更になりました。五輪期間に当たる7月25日から8月9日の3週間。例年なら、新潟、札幌、小倉の3場開催となるところですが、小倉での開催取りやめを発表。

 さらに、マラソンと競歩の会場が札幌に変更になったため、6〜8月の日程が大幅に変更になりました。6月13日から札幌で3週(6日間)のあと、7月4日から函館で6週(12日間)。さらに、8月15日から札幌に戻り、4週(8日間)となりました。

――えっ!?  ちょっと待って。よく分からないんだけど……。僕も同じです。このほかにも、1月に小倉開催があるなど、何がなんだか。今年はスケジュール帳とにらめっこしながらの競馬になりそうです。

 でも、開催が変わっても、東京オリンピックがあっても、一番面白いのはやっぱり、競馬!  今年も12月27日の有馬記念まで目いっぱい走り続けます。2020年も競馬をよろしくお願いします。

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