鈴木亮平
鈴木亮平

 竹内涼真(26)主演、日曜劇場『テセウスの船』(TBS系)が好調だ。第3話の視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、初回から2桁をしっかりキープしている。これは今季の民放ドラマでもトップクラスの数字で、原作者、東元俊哉氏の地元北海道地区では平均視聴率が15%を超えているという。今回はその人気の秘密に迫ってみよう。

 本作は音臼村という寒村で起こった大量殺人事件をめぐる物語で、同名マンガが原作。3話までは事件が起こる前にタイムスリップした主人公、心(竹内涼真)と、その父で事件の犯人である佐野文吾(鈴木亮平/36)が、村で次々と起こる不審な出来事に立ち向かう姿が描かれた。

 このドラマはタイムパラドックスの複雑なサスペンスであるとともに、美しく切ない愛情が描かれる家族ドラマでもある。3話まで見て分かったが、ドラマに深い色合いを与え、より面白くしているのが文吾を演じる鈴木の演技だ。

 2月2日の放送ではアントニオ猪木(76)のものまねをしたり腹踊りをするという、コミカルな面を見せた。と、同時にシリアスで重い演技も見事にこなしてみせる。平成元年を生きる良き父、地域の人々を思う、優しくも厳しい警察官。そして死者21人を出した殺人事件の容疑者という難しい文吾役を、鈴木は完璧に演じているのだ。

 主役である竹内涼真の涙ながらの演技も評価が高いが、ツイッターでは「竹内涼真と鈴木亮平の演技がすごすぎてずっと感動してたわ」「亮平さんのこういう演技、大好きです」とのコメントが続出。鈴木亮平の熱のこもった芝居にも、注目が集まっている。

 鈴木亮平といえば、一昨年の大河ドラマ西郷どん』(NHK」)で西郷隆盛を演じ、一躍、国民的俳優となった。近年は主演作も多いから忘れていたが、鈴木は脇役をこなすのが実に達者な俳優でもある。

 2014年の朝ドラ『花子とアン』(NHK)では吉高由里子(31)が演じるヒロイン花子の夫、村岡英治を演じて注目を浴びた。公私にわたって花子を支える好青年でまさにハマり役、鈴木のブレイク作となった。その翌年の日曜劇場『天皇の料理番』(TBS系)では主人公の兄、周太郎役が話題に。20キロの壮絶な減量を経てガリガリになった姿を披露し、体を張った熱演が評価された。

 主役に比べて脇役は目立たない存在だが、物語を重厚にしドラマに深い奥行きを与える、重要な役割がある。そんな脇役を見事に演じてきた鈴木亮平は、30代中盤にして、大御所俳優レベルのスキルを持っているといえる。これは、前述のように印象深い脇役を、多数演じてきた、鈴木だからこそ持ち得たのだろう。

 第4話では老囚人となった文吾が登場する。これまで、映画『俺物語!!』の剛田猛男、ドラマ『銭形警部』の銭形など、一見、トリッキーな役を見事に演じた鈴木が、老人をどう演じるのか、注目したい。第4話から第二章に突入する『テセウスの船』だが、鈴木亮平の演技で、今後も高視聴率を獲得するのは間違いないだろう。(ドラマライター・半澤則吉)

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