ドバイワールドカップデーに出走予定だった、アーモンドアイやマテラスカイ、フルフラットなど20頭が、無事に帰国しました。1週間の輸入検疫を受けたあと、3週間の着地検査を行い、ウイルスや細菌に感染していないことが分かれば、そこからあらためて、今後のスケジュールを組み直すことになります。全馬無事に、レースに出走できることを願わずにはいられません。
僕をはじめ、日本を発つ前に中止の決定を知らされた騎手や調教師たちは大丈夫でしたが、気の毒なのは、レースに備えてドバイ入りしていた厩舎関係者の皆さんとC・ルメール騎手、古川吉洋騎手です。2人は自力でPCR検査を受け、陰性でしたが、JRAから14日間の自宅待機を強く要請され、競馬に騎乗できなくなってしまいました。安全な競馬の施行と新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐという意味では仕方のないことかもしれませんが……。
日曜の夜にドバイの中止が決まったことで、僕自身も週末の予定がぽっかりと空いてしまうところでしたが、幸いにも3月28日の土曜日は阪神で7鞍。翌日の日曜日は中京で4鞍の騎乗依頼をいただくことができました。
気合いを入れ直して臨んだ競馬は、阪神5Rではメイショウサンガで未勝利戦、サトインプレッサでG3毎日杯、中京3R3歳未勝利戦はソルトキャピタルで勝利を飾り、あわせて3勝を挙げることができました。
中でも、毎日杯を勝ったサトノインプレッサは、これでデビューから3戦負けなし。スタートはゲート内で暴れたために出遅れ。最後の直線でも、スペースを見つけるのに時間がかかりましたが、前が開くと同時にエンジン全開! 一瞬で前を走るすべての馬を置き去りにする鮮やかすぎる勝利を飾ってくれました。まだまだ発展途上のサトノインプレッサが、今後、どれだけ強くなるのか!? 楽しみしかありません。
――コロナウイルスには、負けない。全力プレーで挑む今週の騎乗馬は、4月11日、レシステンシアとともに、牝馬クラック最初の一冠、桜花賞に出走します。ダイワメジャー産駒のレシステンシアとは、デビュー戦以来となりますが、彼女の強さは誰もが認めるところです。阪神JFを制した2歳チャンピオンにふさわしい強い競馬をすれば、結果はついてくるはずです。
今週も、競馬ができることに感謝しながら、最高の騎乗で、最高の結果をお届けできるように頑張りますので、期待していてください。
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