「無観客競馬になってから、ボロをする馬が少ないんですよね」 独り言のようにつぶやいたのは、パドックでボロの掃除を担当している係の方でした。些細なことにもストレスを感じてしまうのが、サラブレッドの特徴の一つです。緊張したり、不安を感じているときほど、馬はよくボロをします。

 デビュー戦のときに、初めて多くの人間を目の当たりにする2歳馬たちにとっては、無観客競馬がプラスに働いているんだろうな――そんなことを思っていたら、それは2歳馬に限ったことではありませんでした。落ち着き払って、いつも堂々と歩いている、と思っていた古馬も同じで、やっぱり、パドックでボロをする馬が少ない。

 裏返して考えると、満員のファンに囲まれたパドックを歩いているだけで、これまで馬たちは、かなりのストレスを感じていたということになります。分かっているつもりでしたが、正直に言って、まさか、それほどまでとは思っていませんでした。会話ができたら、すぐに分かることですが、それができない以上、より細やかなことにも気を配り、馬のことを分かってあげられるよう努力する気持ちが大切です。

 それでは、今回の騎乗馬です。新潟、小倉、札幌の3場開催となる8月最終週、僕が予定しているのは、無観客で行われる札幌競馬。メインレースとなるG3芝1200メートルのキーンランドCに、ダイアトニックとともに挑みます。前走6月21日の函館スプリントSを2番手からの競馬で快勝。スプリント戦における能力の高さを見せつけたダイアトニックにとって、ここは負けられない戦いになります。

 テレビの前で熱い声援を送ってくれる日本全国の競馬ファンの皆さんに、熱い競馬をお届けします。

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