8月16日(日)深夜に放送された『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)では、怪談業界にアピールしたいメンバーが実体験に基づく怖い話を披露する「ひな川淳二の怪談ナイト」の企画が行われた。
怪談話を披露したのは渡邉美穂、加藤史帆、潮紗理菜、金村美玖、河田陽菜の5人。
なかには癖のゲラが発動して上手く話せなかったメンバー(河田)もいたりはしたのだが、「ギギギギギ…」などの擬音を多用した渡邉や畳を叩いて足音を表現した潮など、5人は独自の演出を加えた個性豊かな怪談話を披露。
5人の話はスタジオにいる「怖がり選抜」メンバーを本当に怖がらせるくらいクオリティが高く、さらにその時間も3分以上と、アイドル番組の怪談話としてはかなり長尺なものになっていた。
今回の5人の話し方がいかに上手かったかは、日向坂46がまだ「けやき坂46」だった頃に放送された『欅って、書けない?』の2017年8月20日放送回と比較するとよく分かる。この回では「メンバーが体験 本当にあった怖い話」と題して欅坂46・けやき坂46のメンバーが実体験に基づく怖い話を披露していたのだが、このときは欅坂46も含めたほとんどのメンバーが上手く話すことができず、途中でMCの土田晃之に強制終了されたりしていた。
普通、アイドル番組の怪談企画は「上手く話せないこと」「上手く話そうと頑張っているところ」を楽しむ目的で作られているため、このときの彼女達は非常に「アイドルらしかった」とも言えるのだが、それに対して視聴者に怪談話をしっかりと聞かせていた今回の『ひなあい』は、よく考えればアイドル番組の怪談企画としてはかなり挑戦的だったといえるかもしれない(特に加藤や金村の「怖い話風の普通の話」は、2人に話術がなければ成立させられなかった)。
話芸のなかでも難易度が高いと言われている怪談話をあれだけ上手く話せるようになっているとは、日向坂46メンバーの話術は以前に比べて確実に上がっているといえるだろう。
(文・鎌形剛)