春の嵐が吹き荒れ、人馬ともに泥だらけとなった春のG1開幕を告げる高松宮記念を制したのは、川田将雅騎手が騎乗したダノンスマッシュです。

 ゴール前、レシステンシアとの激しい叩き合いは、見ていた僕も思わず力が入るほどで“これぞ、競馬!”という見応えたっぷりのシーンでした。関係者の皆さん、おめでとうこざいます。

 この前日に行われたドバイ国際競走でも、日本馬が存在感を示してくれました。

 ダート1200メートルで行われたドバイゴールデンシャヒーンではレッドルゼルが。続く芝1800メートルのドバイターフはヴァンドギャルドが。さらに芝2410メートルのドバイシーマクラシックではクロノジェネシスが。メインのダート2000メートルのドバイワールドカップでは、チュウワウィザードが。4頭そろって2着と大健闘。あと一歩のところまで、勝った馬を追い詰めました。

 世界がコロナ禍に揺れるこの時期に、勇気を持ってドバイWCに挑んだ各陣営に、大きな拍手を贈りたいと思います。ナイス・ファイト! でした。

 今は、折れた骨が完全にくっつくまで我慢、我慢、我慢。自分にそう言い聞かせていますが、こんなレースを見せられると、やっぱり、心がザワザワしてしまいます。レース中のケガで僕が騎乗できなくなったのは、今回で6度目。若い頃は、「レースは騎手が走るものじゃなく、馬が走るものだから、大丈夫」と、かなり無理をしてきましたが、僕も今年で52歳。レースに復帰するための条件は、まず、ケガを完全に治すことが最優先です。

――やっぱり、武豊だ。 皆さんに、そう言っていただけるようになるまで、僕に、もう少しだけ時間をください。

 今週末、4月10日、11日に行われる重賞競走は全部で3つ。10日は、阪神でG2阪神牝馬Sと中山でG2ニュージーランドT。翌11日は、阪神でG1桜花賞が待っています。

 阪神牝馬Sは、過去に5度、シヨノリーガル、ノースフライト、ファインモーション、アドマイヤグルーヴ、スマートレイアーで制覇。ニュージーランドTは、シーキングザパールとシーキングザダイヤ。桜花賞は、シャダイカグラ、ベガ、オグリローマン、ファレノプシス、ダンスインザムードと5つの勲章を手にしている僕とはすごく縁の深いレースです。

 この中で、僕が最初に手にしたのはデビューした年、1987年12月27日に、シヨノリーガルとともに挙げた阪神牝馬S……当時は、阪神牝馬特別と呼ばれていました。この勝ち星が、トウカイローマンの京都大賞典、レオテンザンの京都新聞杯に続く、3つ目の重賞勝利。シヨノリーガルにとっては、最初で最後の勲章です。

 父ヴァイスリーガル、母マジエスティ、通算成績は28 戦6勝。現役時代を覚えている方は少ないと思いますが、僕にとっては大切な友でした。

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