桜花賞を制した白毛馬のソダシに続き、また一頭、競馬界にスターホースが誕生しました。一昨年のサートゥルナーリア、昨年のコントレイルと同じく、無敗のまま皐月賞を制したのは、デビュー5年目の横山武史騎手が騎乗したエフフォーリアです。

 ゴールの瞬間、真っ先に浮かんだのは、武史ジョッキーではなく、お父さんのノリさん(横山典弘騎手)。息子の勝利が、どれだけうれしかったことか、と想像するだけで、ほおが緩んでしまいました。

――おめでとう、ノリさん! おめでとう、武史!! 皐月賞を前に、余計なことは一切、口にせず、ただ、ひと言、「緊張するか?」とだけ武史に聞いたというのも、ノリさんらしい優しさです。クラシックを前に、緊張するのは当たり前。まして、人気馬に騎乗するとなると、プレッシャーを感じるのが当然です。大事なのは、プレッシャーに押し潰されるのではなく、緊張を感じながら、それを、どうプラスに変えていくのかということです。ノリさんも、何度も何度も、それを経験し、乗り越えてきたからこそ、多くを語らず、ひと言で伝えたかったんだろうなと思います。

 親子で皐月賞を制したのは、僕と父・邦彦、ユーイチ(福永祐一)と洋一さん。ノリさんと武史だけ。僕とユーイチは、父親がすでに現役ではありませんでしたが、ノリさんは、現役バリバリ。きっと今頃は、「次はオレの番だ!」と、気合いを入れ直しているんだろうなと思うと、やっぱりニヤけてしまいますね。

 勝ったエフフォーリアの父は、菊花賞馬のエピファネイア。祖父は、2002年と03年の年度代表馬シンボリクリスエス。昨年12月8日に、繋養先のシンボリ牧場で亡くなった(21歳)、名馬中の名馬でした。

 このシンボリクリスエスとコンビを組んだ騎手といえば、02年の天皇賞(秋)に騎乗した岡部幸雄さん。02年の有馬記念、03年の天皇賞(秋)と有馬記念を連覇したときのジョッキー、O・ペリエを思い浮かべる方が多いと思いますが、ノリさんが二度、僕も一度だけ、騎乗させていただいたことがあります。

 あれは02年の青葉賞です。結果的には、強い勝ち方で、ダービーへの最終切符を手にしましたが、同時に、まだまだ、こんなものじゃないという手応えがあって。藤沢和雄先生には、「本当に強くなるのは、秋以降ですね」と伝えました。

 予感は的中。ダービーは、タニノギムレットで勝ちましたが、その年の天皇賞(秋)、有馬記念。翌年の天皇賞(秋)、有馬記念と、4度もシンボリクリスエスに負ける結果となってしまいました。当たってほしくない予感ほど、当たるものです(苦笑)。

 暦は5月。一年で最も過ごしやすい季節がやってきます。皆さん、楽しみにしていてください。

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