サラブレッドには、休み明けでもいきなり能力全開で走れる馬と、動きがやや鈍くなるタイプの馬がいますが、ジョッキーとしての僕は前者。休み明けは動けるタイプの騎手です(笑)。

 足の甲を骨折した3月20日以来、約1か月半ぶりの復帰初戦――5月1日、土曜阪神の第1Rは、吉田照哉さんがオーナーを務めるウラエウスとのコンビで快勝! 休養中、早く馬に乗りたい、レースに出たい、早く一つ勝ちたい、と思い続けていたモヤモヤを解消することができました。

 ただ、騎手という職業病なのか、それとも僕個人の性格なのか、1つ勝つと2つ、2つ勝つと3つ……次も次も、その次も、と勝ちたくなってしまいます(笑)。

 思いは必ず届く。2つめの勝利、通算4268個めの勝ち星は、同じ日のメインレース、ダート1200メートルで行われた天王山S(4歳以上オープン)でした。僕が騎乗したのは、6番人気のスマートアルタイル。前走、この馬とのコンビで勝った同期のマサヨシ……じゃなかった、蛯名先生から「オープンでも十分にやれる」と聞いていましたが、直線での切れ味は、かなりのもの。次も楽しみになる内容での勝利でした。

 復帰戦で一度叩かれて(?)、ホウオウアマゾンをパートナーに挑んだ翌週のメインレース、G1・NHKマイルCは9着。もちろん、結果には満足していません。レースは、ほぼイメージ通り。トモの感じを含め、体調が万全で臨めたら、大きな勲章を手にするチャンスはあるはずです。

 さぁ、そして、今週末、5月23日は、牝馬三冠レースの2つめ、優秀牝馬、オークス(芝2400メートル)が、東京競馬場を舞台に行われる予定です。これまでの81回という長い歴史の中で、僕が、このオークスに確かな爪痕を残したのは3度。最初が、1993年のベガで、2度目が95年のダンスパートナー、3度目はその翌年、96年のエアグルーヴでした。

 桜花賞とオークスのクラシック二冠を制したベガ。オークスを勝った後、フランス遠征を実現させたダンスパートナー。そして、バブルガムフェローとの歴史に残る激しい叩き合いを制し、天皇賞(秋)を制覇。牝馬としてはトウメイ以来、実に26年ぶりとなる年度代表馬に選ばれたエアグルーヴ。3頭とも忘れることのできない、大切な彼女です。

 今年、この大舞台で僕のパートナーを務めてくれるのは、前走、フローラSを勝ったクールキャットに決まりました。このレースで大本命に推されるのは、競馬界の歴史を覆した白毛馬のソダシ。僕の馬は、伏兵馬の一頭といったところでしょうか。

 でも、ノーチャンスだとは思っていません。3歳牝馬が初めて経験する2400メートルという距離が、何かを起こしてくれる可能性は決して低くありません。最高の騎乗で、最高の結果を――一発を狙って頑張ります。

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