アリストテレスとの初コンビで一発を狙った前半戦最後の大一番、宝塚記念の結果は9着。4角手前までは、展開も位置取りも思い描いていた通りでしたが、馬場がボコボコしだしたあたりから、急に手応えが悪くなり、急ブレーキがかかってしまいました。昨年の菊花賞(2着)から4レース続けて騎乗していたクリストフ(・ルメール騎手)から、「距離は今回のほうがいい。問題は馬場」と聞いていましたが、その言葉通りのレースに……。

 このレースを制したのは1番人気の牝馬、クロノジェネシス。ジョッキーは、5月2日のレースで落馬負傷し、現在、リハビリ中の主戦・北村友一騎手から乗り替わりとなった、そのクリストフです。乗り替わる立場と、その逆の立場――どちらも経験があるので、その気持ちを察することができます。代打騎乗の指名を受け、役目を果たしたクリストフには、喜びの中にもプロフェッショナルとして、無事に仕事をやり終えた安堵感があったはずです。

 リハビリ中の北村友一騎手は、勝った馬を称える気持ちと同時に、騎乗できなかった自分へのいらだちを覚えたことでしょう。クリストフの勝利ジョッキーインタビューは、そんな北村友一騎手へのメッセージで始まりました。

「とりあえずは北村友一ジョッキーにコンニチハいいたいね」

 たどたどしい日本語ですが、気持ちはすごく伝わってきました。

「僕も昔、ケガをしてG1に乗れなかったことがあります。でも、あなたはまだ若いです。いいリハビリ期間を過ごし、元の強い状態に戻れば、これからまたG1を勝つことができるでしょう。だから心配しないでください」

 マイクに語りかけるクリストフは、大胆なのに繊細。そして、優しくて明るい、彼の人柄が表れていました。

「クロノジェネシスは本当に強かった。あなたのおかげで、5歳でもまたG1で頑張ってくれました。本当にありがとうございます。また今度、競馬場で。お大事に」

 レースではライバルですが、それが終わったら大切な仲間――ジョッキーの思いは、みんな同じです。

 コロナ禍の中で、2021年前半のレースを、すべて無事に終えたJRAの売り上げは、前年比106%アップの1兆5452億6279万7300円。ファンの皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。

 その熱い気持ちに応えるため、競馬サークル一丸となって、激しく面白いレースをしていきたいと思います。今回お伝えする僕の期待馬は、3連勝で関東オークスを制したウェルドーン。出走するのは3歳最強のダート馬を決める交流重賞Jpn1、7月14日に大井競馬場を舞台に行われるジャパンダートダービーです。僕にとっては05年にカネヒキリで勝って以来となる、ウェルドーンで牝馬初の優勝を目指します。

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