もしかしたら、このまま収束するかも!? いや、終わってほしい……誰もが、そう願っていたコロナ禍でしたが、年末年始を境に、再び急増。2022年の競馬は、第6波突入とともにスタートすることになってしまいました。少しずつですが、ファンの皆さんが戻りつつあった競馬場への入場は今後、どうなるのか? 優勝馬との記念撮影は、またも自粛になってしまうのか?
心配事は山のようにありますが、大切なのは、絶対に、競馬の灯は消さない――という気持ちと、感染対策です。僕らジョッキーも、これまで以上に、うがいや手洗い、レース以外でのマスク着用を徹底し、週末の競馬を今まで通り楽しんでいただけるように努めていきたいと強く思っています。
昨年は、521回の騎乗で、挙げた勝ち星は75。ハーツクライ産駒のドウデュースをパートナーに、これまで勝ったことのなかったG1朝日杯FS制覇といううれしい出来事もありましたが、正直、75という勝利数を見ると、ため息が漏れます。もっと勝てたはずだし、勝てたレースはあったはずです。
あそこで、こう乗っていたら、あのとき、こうしていたら……思い返すと、悔しさが込み上げてきます。ただ、これまでも、この悔しさをバネにして勝ち星を積み重ねてきたし、これからも、その気持ちは変わりません。
――昨日より、今日。今日より明日、少しでもうまい騎手になっていたい。この思いがある限り、ジョッキー武豊は、まだまだ成長できるはずだし、成長すると信じています。
日本ダービーを勝ちたいし、天皇賞も、ジャパンCも、有馬記念も勝ちたい。ずっと追い続けている夢、凱旋門賞に今年もチャレンジしたいし、チャンスがあったら、何がなんでも勝ちたい。G1コンプリートまで、あと1つと迫ったホープフルSを勝って、満員のファンの前で、その記録達成を報告したい。勝ちたいレースは、両手、両足の指では全然、足りないくらい、たくさんあります。
でも、その前に。自分に課したいのが、年間100勝という数字です。これは、目標ではなく、ノルマです。19年に111勝。20年は115勝。この数字を1つでも、2つでもいいから超え、そのうえで、G1のタイトルを、1つだけじゃなくて、2つ、3つと取ることが、今年の僕の目標です。
幸いにも、今年は牝馬、牡馬ともに、クラシック路線に向けて楽しみな馬がそろっているし、やれるという手応えも十二分に感じています。
JRA は、「HERO IS COMING.」を22年のキャッチコピーにして、長澤まさみさん、見上愛さんが登場するテレビCMを展開することを発表しました。
皆さん、コロナ禍を吹き飛ばすようなニューヒーローの誕生を楽しみにしていてください。
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