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『恐怖の心霊報告書』読者投稿3 リゾートホテルの部屋

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿3 リゾートホテルの部屋

かきいれ時だけ使用する開かずの間!

3年前のことです。当時、大学3年生だったボクは、サークルの仲間・川田に誘われてリゾートホテル『K』でバイトをすることになりました。

休憩時間には目の前のS海岸で泳ぎたいな!

正直なところ、そんな甘いことを考えていました。しかし、実際は朝から晩までフル稼働。バイト初日は寮に戻って食事もとらずにバタンキュー! 朝まで1度も目を覚ましませんでした。それだけ疲れていたのです。

それでも1週間ほどすると仕事にも慣れ、寮で生活するバイト仲間とも打ち解けました。

ある日、寮でバイト仲間と酒盛りをしているときのこと。
「あの部屋のこと、聞いたか」

と山下先輩が切り出しました。彼いわく709号室……ようするに7階の9号室は出るので、稼ぎ時のオンシーズンは使用するが、オフシーズンは開かずの間にしているとのこと。

それを聞いて悲鳴にも似た声を上げる女の子もいました。

壁に固定された姿見にワンピース姿の女性が!

山下先輩の話を聞いた5日後。ボクを含めた4人で7階全室のルームメイクをすることになりました。709号室のことがチラリと頭をよぎりましたが……実際に「出た」という話は耳に入ってきていません。

「太田君、とりあえず706から710まで担当してね」

パートさんの指示を素直に受け入れたボクは、706号室に入室して窓を全開にします。空気を入れ替えながら、ルームメイクのマニュアルに従って部屋を片付けていくのです。

汗をかきかき、順番にルームメイクをこなし、いよいよ問題の709号室です。

部屋の間取りは他と同じツインタイプ。大急ぎでルームメイクを始めます。すると、誰かに見られているような……視線を感じました。

顔を上げて洗面所の方向を見ると川田が笑っています。
「ビビッた?」

山下先輩の話を一緒に聞いた彼は、ボクのことを驚かそうとしたのです。

「この忙しい最中に勘弁してくれょっ!」

そう言ってベッドのシーツを整え始めたとき、今度は目の端に人影が入りました。

「川田、いい加減にしろよ!!」

パッと顔を上げましたが、川田はおろか誰もいません。気のせいだったのかな!? と、作業を再開しようと顔を下げかけたとき……壁に固定された姿見に、女性が映っていることに気がつきました。

先ほどまでは洗面所だけが鏡に映っていたのに、今はそこに赤いワンピース姿の女性が立っているのです。もちろん、まったく見覚えのない女性です。

体が固まりました。声も出せません。不思議なもので目を反らしたいのに、それもできません。能面のように無表情な女は急にカッと目を見開いたかと思ったら、次の瞬間にスッと煙のように消えました。

開かずの間の女性に憑かれてしまった!?

不思議なもので、いま見たものに対する恐怖感と、仕事に対する責任感が入り乱れた結果、
「ヤバい、ヤバい、ヤバい!」

ボクはそうつぶやきながら、手を動かし続けました。

この時のことを誰かに聞いてもらおうとも思いましたが、バカにされるのがオチです。もしかすると山下先輩の話を聞いて、潜在的に恐怖感を抱き、それが錯覚を起こさせたとも考えられます。

いずれにしても気分を変えようと思いました。そこで仕事が終わった後、カフェバーに立ち寄ったのです。

カウンターに腰掛けると、店員さんがおしぼりを2つ置きました。不思議に思い、
「なんで2つなの?」

と尋ねると、店員さんは怪訝そうな表情を浮かべました。

「……お連れ様がいましたよね。おトイレですか?」
「連れ? ボク1人ですよ」
「いいえ、赤いワンピースを着た女性が一緒でしたよ」

その言葉を聞いた瞬間、全身に寒気が走りました。そう、709号室の姿見に映った女性がついて来ていたんです。

翌日、バイトの採用担当者に709号室とカフェバーで起こったことを話しました。そして辞めたいと申し出ると、意外なほどすんなり受理されました。

そして、他言しない約束で709号室にまつわる話を聞かせてくれました。

10年ほど前、あの部屋に宿泊していた女性が、彼氏の目の前で亡くなりました。ベランダからの転落事故だったそうです。それ以来、彼女が頻繁に現れるようになったので、お坊さんを呼んだり、お祓いをしてもらったり……いろいろ手を尽くしたものの、彼女は成仏することができずに、今も709号室に棲み続けているそうです。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

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