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『恐怖の心霊報告書』読者投稿23 ビジネスホテル

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿23 ビジネスホテル

熱い湯につかるも体温が上がらない

その日、出張で大阪へ行ったんです。
夜、接待の後は素直に宿に帰りました。少し安めのビジネスホテルです。
少し疲れていたので、面倒でしたが浴槽にお湯を張り、浸かりました。しかしちょっとおかしいんです。

熱い湯であるはずなのに、身体の部分だけ冷たくなり始めました。手でその辺りを探ってみたのですが、温度は高いんですね。胴体部分だけ、水みたいに感じている。そこだけ体温をうばれてしまったようになるんです。結局、温まることもなく、風呂を出ました。

そのまま寝てしまおうとベッドに潜り込んだのですが、今度はなかなか寝付けない。右隣の部屋が煩かったということもあります。テレビの音が大きいのです。壁が薄いから、たまに咳払いや何かを動かすような音も筒抜けでした。

浴室から現れた手が空中に浮かび続けた

どのくらい我慢したでしょうか。そのうち寝るかと思っていたのですが、甘かった。

あまりにいつまでも酷いため、フロントに電話して注意でもさせようかと思ったんです。電話器の所へ行くため、身体を起こしたのですが、何か変な感じがしました。

違和感の正体は、洗面台兼浴室のドアです。そこがゆっくり音もなく開いていくところでした。
外開きの戸が3分の1ほど開いたいたとき、真っ暗な浴室から何かが出てきました。

手……でした。

右手だと記憶しています。小振りでしたから、多分女性の物でしょうか。
丁度ドアノブの高さに指先を前にして、薄暗がりに白く浮かんでいます。それ以外は何もありません。手だけです。

ちょうど手首のあたりで、空気に溶け込むようにしてぼやけています。
その手はすーっと空中を真っ直ぐ飛んでいくと、そのまま右手側の壁に入っていきました。

ハンガーかけや姿見が填め込まれた所です。当然扉もなにもありません。

信じられないものを目にしたことで、私は身動きがとれなくなってしまいました。少々パニックになっていたのでしょう。

少しだけ間があって、隣のテレビの音が消えました。そして、入れ代わるように男の叫び声が聞こえたんです。慌てた様子でドアを開け、バタバタ廊下へ飛び出していきました。

はっと我に返ります。

今のは何だったのか。浴室のドアを確認しましたが、やはり開いている。では、夢ではないでしょう。それに元々下戸なので、1滴も呑んでいません。接待では烏龍茶だけでしたから、酔っぱらっていたわけでもないのです。

隣の部屋の客が「出た」と大騒ぎ!

そのうち、隣の部屋の客が戻ってきました。話し声から考えて、2人います。下からホテルの従業員でも連れてきたのでしょう。何かを説明しています。

「出た」「突然明かりも何もかもが消えて」「白い」
途中途中が何故か消されたように聞こえません。
耳を澄ますのですが、どうしても聞き取れない。さっきまで壁越しに筒抜けだったのにも拘わらず。

従業員らしき人は何事かを答え、そのままどこかへ電話を入れました。そして、2人でまた出て行ったのです。

さすがに私も眠れません。また何かが出てきたら……そう考えると眠気が来ないのです。

部屋を明るくして、テレビをつけ、朝までじっと身構えていました。結局、あれから何か出ることも、隣に誰かが帰ってくることもありませんでした。

そのまま早朝にチェックアウトしましたが、少し気になることがありました。

隣……そう煩かったあの部屋のドアに何か立て掛けられているんです。
掃除中のプレートならドアノブでしょうが、それとは全く違う。
少し厚めの黒いボードで、大きさはだいたい週刊誌くらいでしようか。

艶消しの表面には何もありまん。ふと思い付いて、そっと裏返してみたんです。

そこには、白いペンキで何かが書かれていました。が、意味が分からない内容でした。

まるで地図記号のような……、丸と線が合わさったようなものでしたから。

それから何度かこのホテルに泊まりましたが、同じようなことは一度もありません。

だから、あの板の正体も不明です。


『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

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