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【パンチ佐藤】キャンプ中のゴルフの“効能”と意外な「風評被害」

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パンチ佐藤の「野球が一番!」
第9回 キャンプ中のゴルフの“効能”と意外な「風評被害」とは!?


2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任したパンチ佐藤。かつての日本代表~オリックスのドラ1も、今では芸能人としての色が濃い。そんなパンチが野球界に“復帰”して改めて思ったことは「野球が一番」ということだ。今回は、キャンプ編の最終回をパンチ流に解説する!
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これまでキャンプについていろいろ書いてきましたが、いよいよキャンプ編も最終回。ここで本題に入る前に、読者のみなさんにとって興味深い話を1つしておきたいと思います。

「キャンプ中の休日」について――。ゴルフの“効能”を初公開しましょう。

野球選手にとって2月の28日間は異常に長く感じます。キャンプ期間中は4勤1休、5勤2休…など各チームによって練習内容は異なりますが、休みは必ずあります。

読者の皆さんが思う「キャンプ中の休日」といえば、ほぼ100%の確率で「ゴルフ」となる。勿論、これは大正解ですが、知っていただきたいのは「ゴルフをする意味」。普通は、「遊び」「気分転換」と考えますね。「気分転換」は当たりですが、単なる「遊び」は違います。

●ゴルフはいい状態を保つために必要

ゴルフをやらない僕は1年目こそ、ベターと寝ていましたが、2年目からは街に繰り出すなど身体を動かしていました。

何と、これが「答え」。キャンプ中にゴルフをするのは身体を休ませないためなのです。僕の1年目が悪い例で、休日だからといって身体を休ませると次の日がキツイ。練習の動きが悪くなるのです。

要するに、ゴルフは次の日…休み前のいい状態で練習に臨むためなのです。とはいえ、「お遊び半分」なのはその通りですが…。

さて、本題に入りましょう。前回、最後に一軍と二軍は天と地であることを書きました。
僕も二軍落ちは定番だったのでファームの練習もよく知っています。そこで“学習”したコーチの先入観について、書いていこうと思います。

二軍の練習は一軍のそれとは絶対的に違うことがあります。それは、前々回に書いた「もう一丁!はない」が、ファームには「ある」ということ。若手育成の場でもある二軍は、アマと似た練習が随所に見られます。

真っ白な若手は「もう一丁!」で頑張ればいいですが、厄介なのは僕のような一軍からの降格組。二軍降格には、それ相応の理由があります。例えば、バント練習で何度もミスしたため、お灸を据えるためのファーム落ちなどなど…。そうなると、二軍首脳陣は一軍からの情報で変な先入観が芽生える。

「パンチはバントが下手なんだな!」

●キャンプ中の「風評被害」とは!?

僕は別にバントは苦手ではありません。たまたま、一軍の練習で失敗しただけ。それなのに、これが現役の間ずっと付きまとうことになったのです。

僕に限ったことでなく、一、二軍の当落線上にいる選手は何だかんだで首脳陣の先入観に悩まされています。ひどい時は、この先入観が理由で放出される。それが膨張すると、この話が評論家にまで広がる。いわば「風評被害」に選手が悩まされることもあるわけです。

実際、僕も入団1年目は「風評」に振り回されました。覚えている方も多いと思いますが、僕はドラフト前日に右足を骨折。ギプスと松葉杖姿でドラフト指名会見に臨みました。骨折なので全治は3~4カ月。当然、キャンプには間に合わない。僕は入団時から春季キャンプは、二軍スタートだと思っていました。
「焦らず治療に専念し、開幕後に一軍昇格すればいい」という自己プランでしたが、闘将・上田監督がそれで「ウン」とは言わなかった。監督曰く「即戦力(社会人出身)のドラフト1位が二軍スタートでは格好悪い」。この理由で僕の一軍スタートが決まったのです。

足は治っていません。痛いです。上田監督も「足に負担がかかるメニューはやらなくていい」と仰ってくださいましたが、この声は現場首脳には届いていません。

骨折しているので右足を折るスライディングはできません。スライディング練習はヘッドスライディングのみです。

すると、あるコーチは「パンチ、お前はスライディングができないのか?」と聞いてきたのです。僕はきちんと事情を話しましたが、彼の頭の中は「パンチはスライディングができない」とインプットされたのです。

●ああ、右足の骨折の影響で…

それだけではありません。打撃、守備にも骨折の影響があり、間違った認識が広まりました。守備に関しては外野ノックを受ける時、本来なら右足スタートの左方向の打球が怪我の影響で左足スタートになる。つまり、全ての打球に対して左足始動なのです。そうなると、外野守備コーチは黙っていません。「佐藤には致命的な欠陥がある。左足からでしかスタートが切れない」と口外するのです。

バッティングに関しては右足が痛くて踏ん張れません。思い切りのいいスイングができないので左方向に流すバッティングばかりになる。そうすると、「佐藤は引っ張るバッティングができない。ボールを当てにいくクセがある」となったのです。結局、僕の評価は「打てない。守れない。走れない」の三重苦…。

このことから声を大にして言いたい。「ルーキーも自分のペースを知り、それに従うこと」。1年目は「痛い」「キツイ」とは言えません。そのためにも“背伸び”は厳禁。無理して上(1軍)に加わるのでなく、身の丈にあったところで、ゆっくり調整してもらいたいですね。

やっぱり、野球が一番!

パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。

【パンチ佐藤】キャンプ中のゴルフの“効能”と意外な「風評被害」

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