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岩井志麻子【三月】①エキゾチック美女・弥生とホテルへ…

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岩井志摩子のあなたの知らない路地裏ホラー
エキゾチック美女・弥生とホテルへ…


テレビではちょっと危なすぎるネタばかりを持ち、別にテレビなんか出たくねーしという芸人だった春日くん(ここだけの仮名)も、三十を過ぎて本人の性格も丸くなり、いつまでも突っ張っていても仕方ないと芸風もマイルドになった。

それで三年ほど前の春先から、地方局ではあるがテレビのレギュラーもゲットできた。

そんな彼が世話になっているテレビ局の建物は、元は結婚式場だったという。一階のスタジオは喫茶店で、二階の会議室は式場、楽屋は新郎新婦や親族の控室だったとか。

●可愛らしい弥生さんに惹かれて…

普通、結婚式場はめでたい場所だ。人生の晴れの日であり、祝福する人たちが集まる。なのにテレビ局に変わったそこは、「幽霊が出る」という噂が絶えないのだった。

ちょっと霊感のある人なら、みんな感じるそうだ。春日くんはまったくその手の話を信じないタチだったので、何を聞いても鼻で笑っていたのだけれど。

気が変わったのは、春日くんの出ている番組にゲストとして呼んだ霊能力者のせいだった。弥生と名乗る彼女は、ちょっと東南アジアっぽいエキゾチックな若い美人だった。
ディレクターの一人がネットで『人気の美人霊能力者』を調べ、弥生さんに出演を頼んだのだ。春日くんと組んで、局内で噂の幽霊を探すという企画になった。

前日、局の近所の喫茶店で打ち合わせをするために会ったが、春日くんは一目惚れに近い状態になった。弥生さんも最初から、まんざらでもなさそうだった。

それは普通に女として春日くんに気があるのか、可愛い顔して上昇志向や野心が強いから、テレビ出演を機にもっと有名になりたいという枕営業に近いものなのかは、霊能力どころか普通の感も鈍い春日くんにはイマイチわからなかったのだが。

打ち合わせの後、二人きりで「続きをやろう」となり、ホテルに行ってしまった。


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

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