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【岩井志麻子】格安風俗店のサツキvol.1「写真に五十前後の女性が写りこんで…」

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岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー
格安風俗店のサツキvol.1「写真に五十前後の女性が写りこんで…」


その風俗店は、若くて可愛い子ばかり……とはいい難い。なにせ格安店だ。つまり、高い店では採用してもらえない容姿や年齢や性格の女性ばかりだった。そのかわりにといっていいのか、生だのお尻の穴だの、ハードなサービスを売りものにしていた。

ある女性編集者が、取材の過程でそこの若いわりに落ち着いた店長に怖い話を聞いた。

「とりあえず、働きたいとうちにやってきた子はみんな面接しますね。住所や年齢だけでなく、簡単な経歴を書いてもらいます。多少の嘘やごまかしは目をつぶりますが。

大事な項目が、“霊が見える”に○をつけるかつけないかなんです。

見えるに○をつけた子は、嘘つきと決めつけるんじゃないけど、薬物依存の可能性が高いのと、人間関係においていろいろトラブルを招きがちなので、採用したとしても要注意人物、要監視対象にします」
さらに、店長はこう続ける。

「四月になってすぐ入れたサツキって子も、見えるといい張るんですよねー。ぎりぎりだけど二十代だし、顔もスタイルも悪くはない。だけど、性格や生活態度、接客がだらしなさすぎて、他店ではすぐクビになっちゃうんです。

うちでは奇跡的な可愛さだから、入って1カ月経たないうちにトップ5入りしましたよ。

そんなサツキは彼氏と一緒に住んでいて、いずれ結婚するとかいうんです。頼んでないのに、スマホとかに保存している写真をせっせと見せてくれます。

確かにサツキと、若い男が写ってるんですが……妙なんですよ。どの写真にも、五十前後くらいの中年女性が写りこんでる。そう、常に三人なんです。

これ誰なの? 君のお母さんか、彼氏のお母さんか。そう聞くと、サツキは真顔で“そんな人は見えない。どこにいるの。私と彼しか写ってない”というんです」


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

【岩井志麻子】格安風俗店のサツキvol.1「写真に五十前後の女性が写りこんで…」

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